「仕事で大事なのはまず整理整頓」というが、極論をいえば仕事のすべてが整理整頓である。
机の上や机の中、書棚等の物理的な整理整頓だけでなく、”広義”の整理整頓という意味では、営業、販売、マーケティング、人事、取引関係、経理、財務、企画、マネジメント、経営理念、ビジョン、経営戦略、デザイン・・すべてが整理整頓といえる。
整理整頓とは見た目をきれいに整理し、使いやすくすること。整理整頓は「物理的整理」、「ルールの整理」、「思考の整理」に分類できて、それぞれを意識して整理できると当事者も周囲も顧客や取引先も物理的にも精神的にもクリアになり無駄が省けて快適で儲かる仕事ができるようになる。
営業/販売/マーケティング/サービス
マーケティングや顧客対応の際は、その施策や顧客リスト、需要とそこに供給できる自社のリソースを整理し、実行した施策やオペレーションについて評価、次のアクションに生かしていく。分かりやすく整理し次につなげる意味で整理整頓そのものといえる。コンプライアンスや販売方針に則ったルールも整理整頓のひとつ。
人事
会社の未来を見据え、どんな人を採用し、誰を異動させるか。能力開発もどんなプログラムを実施するか選択肢を洗い出し適切なものを選択していく。適切な人材配置と必要な能力開発をしていく思考と物理的整理整頓といえる。
製造開発/研究
製造なら、時間あたりの生産性や各工程ごとの付加価値とその評価を整理。ひとつずつ付加価値を上げていくべく改善を重ねていくルールのブラッシュアップ。物理的な整理整頓と、自動化できる部分とできない部分の整理、仕入れ先の選定など整理整頓。世のニーズを捉え自社の強みを生かし課題解決等の思考・研究を重ね、戦略を整えていく。
取引関係
1社のリソースは限られているので全ての顧客、全ての市場を満足させることはできない。どの市場/顧客、どの仕入れ先と取引をすべきかを思考。仕入れ側も販売側も自社が強みを生かせる取引先をにシフトさせていくことで存在意義や非代替性を高め、長期的に利益を維持向上させていくことができる。
経理/財務
収入、支出について科目ごとに仕分けする経理的整理整頓。連続した財務諸表や競合他社等の経営状況から自社の経営を分析し、機会と脅威を整理、将来予測される複数の財務シナリオから今打つべき手を導き出す財務戦略も思考の整理整頓といえる。
マネジメント
定めた目標をより効率的に達成するためのオペレーションを実行するために、従業員のモチベーション向上を念頭においたKPI等を設定し、効果的に数値管理とモチベーション管理をしていく。一人ひとりを定量的/定性的に管理し、目標を達成しつつES(従業員満足)とCS(顧客満足)を同時に実現していく。さらに経験効果による生産性の向上もしっかり取り込む整理整頓の積み重ね。
経理理念
従業員向け、顧客向けに自社の経営方針や何をもって社会に貢献するのかを示す。なぜこの経営理念なのか、競合他社と異なる点はなぜ異なるのか。その取捨選択も整理整頓といえる。
ビジョン/経営戦略/企画
世の中の課題のうち、自社が解決すると決めた立ち位置と将来ビジョン。世の中の変化、テクノロジーの進化、価値観の変化、パワーバランスの変化などを踏まえ、この業界でどうあるべきか、どういう存在ならば想定する顧客/市場に選ばれ続けられるのか、その戦略(勝ち筋)と戦術を言語化し、適宜改修していくのも整理整頓。
デザイン
プロダクト、オフィス、PR物の見た目の心地よいデザインと、心地よいオペレーションデザイン。何を選ぶのか、どう見せるのかの選択も整理整頓といえる。
仕事全般
将来の目標やあるべき姿を見据えて、今日、いま何をするのか。誰に会って何を話すのか。何を準備し、何をやらないのか。優先順位管理とタイムマネジメント、全ての動きが整理整頓に通じる。
まとめ
仕事はすべて整理整頓という考え方はしっくりくる。物理的整理整頓、思考の整理整頓、ルールの整理整頓が上手な人は仕事が上手といえそう。
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