住宅ローンの税額控除ってざっくりどんなもの?
住宅が1軒建つということは数千万円以上のお金が動くわけであり、ハウスメーカーやマンションディベロッパーだけでなく、工事業者、その下請けとなる各職人、土地関係、銀行、部材メーカー、運送会社など経済的に影響する”すそ野”が広くて大きい消費活動となります。
また、特にその自治体にとっては固定資産税はじめ、そこから生まれる永続的な消費や税収などの恩恵も期待できますね。
経済を活性化するための施策として”住宅購入促進策”は分かりやすく、住宅購入検討者にとっても助かる話であり、その一つが「住宅ローンの税額控除」制度というわけです。
住宅ローンの税額控除は、ざっくりいえば、住宅ローンの借入残高×1%を所得税から差し引くことができるというもので、たとえば、年収600万円、共働きなどで扶養控除対象者がいない場合の所得税は年間20万円程になります。
年末の住宅ローン残高が2000万円以上ある場合、2000万円×1%=20万円で、所得税20万円がまるまる還付されるのは大きいですね。
これが10年続くと、200万円の還付となるわけで、家計にとってはインパクト大です。
住宅ローンの税額控除13年間を適用するためにはいつまでに何をすればいい?
住宅ローン税額控除の制度はその年によって住宅ローン残高のうち2000万円までとか、3000万円までとか、4000万円までとか変わりますし、何年間所得税控除が続くのかということについても、年によって10年だったり、13年だったりします。
↓国税庁HP「No.1213 住宅を新築又は新築住宅を購入した場合(住宅借入金等特別控除)」より
居住の用に供した年 | 控除期間 | 各年の控除額の計算 (控除限度額) |
平成23年1月1日から平成23年12月31日まで | 10年 | 1~10年目 年末残高等×1% (40万円) |
平成24年1月1日から平成24年12月31日まで | 10年 | 1~10年目 年末残高等×1% (30万円) |
平成25年1月1日から平成25年12月31日まで | 10年 | 1~10年目 年末残高等×1% (20万円) |
平成26年1月1日から令和元年9月30日まで | 10年 | 1~10年目 年末残高等×1% (40万円) (注) 住宅の取得等が特定取得以外の場合は20万円 |
令和元年10月1日から令和2年12月31日まで(★) | 13年 | [住宅の取得等が特別特定取得に該当する場合] 【1~10年目】 年末残高等×1% (40万円) 【11~13年目】 次のいずれか少ない額が控除限度額 〇年末残高等〔上限4,000万円〕×1% 〇(住宅取得等対価の額-消費税額)〔上限4,000万円〕×2%÷3 |
10年 | [上記以外の場合] 1~10年目 年末残高等×1% (40万円) (注) 住宅の取得等が特定取得以外の場合は20万円 |
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令和3年1月1日から令和3年12月31日まで | 10年 | 1~10年目 年末残高等×1% (40万円) (注) 住宅の取得等が特定取得以外の場合は20万円 |
「特定取得」とは、ざっくりいえば消費税8%または10%が適用された物件。 「特別特定取得」とは、ざっくりいえば消費税10%が適用された物件。 (★)上記表の[住宅の取得等が特別特定取得に該当する場合]においては、通常10年である控除期間が13年に延長される特例が措置されていますが、新型コロナウイルス感染症等の影響により、控除の対象となる住宅の取得等をした後、その住宅への入居が入居の期限(令和2年12月31日)までにできなかった場合でも、次の要件を満たすときには、その特例の適用を受けることができます(新型コロナ税特法6条、新型コロナ税特令4条)。 ・新築については令和2年9月末までに、住宅の取得等に係る契約を締結していること ・令和3年12月31日までに住宅に入居していること |
現在(R3年度)においては、上記★の説明のとおり、「特別特定取得」として消費税10%で新築物件なら2020年9月末までに契約した物件であり、2021年末までに入居する場合、住宅ローン控除が13年間適用されます。
建設中の新築マンションや注文住宅などで事前に(2020年9末までに)契約していて、今年の年末までに入居する場合はセーフですね。
ただし、11年目~13年目については次のいずれか少ない額とのこと。
〇年末残高等〔上限4,000万円〕×1%
〇(住宅取得等対価の額-消費税額)〔上限4,000万円〕×2%÷3
たとえば、4500万円の住宅購入で4000万円のローンだったとして、
〇年末残高4000万円×1%=40万円
〇4500万円-450万円=4050万円 上限4000万円×2%÷3≒26万円
26万円の方が少ない額なので、26万円の範囲で所得税が控除される、ということですね。
これによって毎年、年末調整等で所得税がまるまる戻ってくると家計にとってかなりプラスになりますし、還付金には税金がかかりませんので、そのまま手取収入のUPにつながります。
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