S&P500,VTIはなぜ人気なのか
NISAやiDeCoなど投資信託といえば今、アメリカ株に投資する「S&P500」や「VTI(Vanguard Total Stock Market ETF)」が人気だ。
アメリカは株主重視、起業が盛んで強い企業が育ちやすいという環境と、実際にこれまで高い株価成長の実績を示してきたことが人気の理由。
【S&P500,過去40年の推移】
たとえば1983年に165万円をS&P500に投じていたならば、放っておいただけで2023年には4399万円になっている。ちなみに同期間で日本株(TOPIX)の場合は平均成長率が3.0%だ。
また、アメリカは先進国であることと、ドルが世界の基軸通貨という信用もある。
そういうわけで、アメリカの代表的な上場企業500社の指数であるS&P500、またはアメリカのすべての上場株式(約4000社)の指数であるVTIが人気となっている。
とくに、この数年は円安傾向で、日本円で持っているより外国通貨で持っていた方が資産は目に見えて増えていっているので、ちょっとバブルの気配も感じるほど。
↑これはSBI証券が取扱う約2600本の投資信託のうちの現時点(2023.8.21)での人気TOP5。
5つとも外国株であり、うち3つはS&P500かVTIに投資するファンドとなっている。1番目と5番目の全世界の株に投資するファンドよりも、S&P500またはVTIのファンドの方がリターンが良くなっている。景気が上向きのときのアメリカの強さを表している。
長期積立投資ならS&P500,VTI以外も検討しよう
これまでのアメリカの株価推移は素晴らしいパフォーマンスだったが、NISAやiDeCoなどの長期積立投資の目的が20年以上先の老後資金等であるならば、S&P500やVTI以外にも検討に値するファンドがあるはず。
2022年12月のゴールドマンサックスのレポートによれば2050年または2075年、国別のGDPランキング予想は以下のようになっている。
2050年にGDP1位は中国、2位がアメリカ、3位インドとなっている。投資をする場合、「安いときに買って高い時に売る」のが鉄則なので、1位を買えばいいわけではない。最も成長する投資対象を買うべきである。
その意味で、2022年から2050年までの間に成長著しく、なおかつ一定の規模以上の国はインド、インドネシア、ブラジルあたりだろうか。
「まさか、そんな新興国(後進国)に投資を!?」という感じがする人もいるだろう。
しかし大事なのは未来を予測すること。現状で感じる先入観はいったん置いておいて、成長性を信じることが大事なのかもしれない。
以上を踏まえて、SBI証券のつみたてNISAから選ぶとすれば以下のようなファンドが良いかもしれない。
・インドに投資をするなら。
ピクテ-iTrustインド株式
・新興国を中心に投資をするなら。
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
・それでも先進国を中心に、新興国も含む投資をするなら。
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
月3万円の積立で、年リターンが6%であれば30年で1080万円の投資が3000万円になる。このぐらいあれば老後資金の足しとしては十分といえるのではないか。
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