世間の平均生活費と自身の生活費を比べてみよう!
総務省では毎月「家計調査」を行い、公表しています。
全国約9000世帯から家計簿等を基に記入いただいた調査票を基に調査結果を作成しているとのこと。
世間の平均支出額が分かると自身の生活費との比較ができて、改善のヒントが見つかるかもしれません。なお、ここでは、「自分でつくれるエクセル・ライフプラン表」の区分にしたがって、以下のように支出を分類しています。
1.基本生活費
2.住居費
3.子供の教育費
4.保険料
5.自動車関連
2~5以外はすべて、1.基本生活費に入るイメージです。
基本生活費には、食費、日用品費、光熱費、家具家電、被服費、医療費、こづかい、通信費、交通費(自動車以外)、娯楽、旅行などが含まれます。
「自分でつくれるエクセル・ライフプラン表」の収入は、税金や社会保険料を除いた後の”可処分所得(手取り額)”を入力するので、税金や社会保険料は基本生活費に含まれません。
したがって、以下の基本生活費と「自分でつくれるエクセル・ライフプラン表」で入力するご自身の基本生活費はそのまま比較できると考えてOKです。
以下のツールの中の「家計簿(年間収支)」シートで自分自身の基本生活費や住居費、子供の教育費、保険料、自動車費に加え、NISAやiDeCo等の積立投資等も整理できますのでトライしてみてください。
家族2人・3人・4人・5人以上の平均生活費

・保険料は2024(令和6)年度「生命保険に関する全国実態調査」より
基本生活費以外はあまり参考にならない
住居費はローンの有無によって世帯ごとに大きく異なるのであまり参考にならないと思います。子供の教育費も公立/私立や子供の年齢によるので上記の数字はあまり参考にならないと思います。保険料は全年代平均値を当てはめています。自動車も保有の有無や何台持っているか、地域によっても異なるのであまり参考にならないと思います。
家族人数ごとの基本生活費
一方、基本生活費は人数ごとの平均を表しており、一定程度参考になると思います。ただし、年代や世帯年収別に分かれていないので、おおまかな平均値とみておきましょう。
2人の世帯は、ほぼ夫婦のみであると予想されます(子供の教育費がゼロなので)。結婚したてでまだ子供がいないか、子供いない夫婦か、子供が巣立った後の夫婦が考えられます。基本生活費は年間336万円、月になおすと28万円が平均のようです。
3人の世帯は、夫婦+子供1人の組み合わせが多いと想像されます。子供の教育費が11万円とありますが上述のように何歳の子供がいるのか、公立/私立などによっても大きく変わるのであまり参考にならないと思います。基本生活費は345万円。1人家族が増えるとその分、食費や被服費等がかかるので、2人家族よりは基本生活費がやや多いですね。
4人の世帯は、夫婦+子供2人の組み合わせが多いと想像されます。3人世帯に比べて基本生活費は年間21万円多くなっています。子供が一人増えると、年間の基本生活費は平均20~30万円程度増えると考えてよいかもしれません。
5人以上の世帯の基本生活費は、394万円。4人家族にくらべて28万円多く、3人家族にくらべて49万円多く、2人家族にくらべて58万円多い。やはり、家族が一人増えると基本生活費が年間20~30万円増えるとみてよいのかもしれません。
年齢層別・家族2人・3人・4人・5人以上の平均生活費
以下、年齢層別・家族人数別の平均生活費をまとめています。世帯主の年齢と家族人数で分類しているので、自身の基本生活費と比べて、だいぶ参考になるのではないでしょうか。
基本生活費は、たとえば3人家族でも34歳以下(年283万円≒月24万円)と55-64歳(年378万円≒月32万円)では大きく差がありますね。





子供が一人増えると基本生活費はどのくらい上がるか
上記の表の家族人数の差は必ずしも子供の人数差ではありませんが、家族が一人増えれば食費や被服費等は増えます。
人数差による基本生活費の違いを見ると(中には何故か逆転している部分もありますが)、家族が一人増えると基本生活費は、概ね年間20万円〜50万円程増えています。
子供が一人増えた場合のライフプランシミュレーションをする場合、これまでの結果を総合すると、基本生活費は30〜40万円プラスしておくと大きく間違わないプランになるのではないでしょうか。
世帯年収別の平均生活費(家族人数は関係なく)
世帯年収別の平均生活費です(家族人数は関係なく)。世帯年収が上がれば、基本生活費も自然と上がっていきます。夫婦が共に正社員だと世帯年収は1000万円を超えることも珍しくありません。その分支出も上がるわけですが、支出が多くても将来に向けた十分な資産形成がでていればよいのです。
ご自身の世帯年収と基本生活費をみくらべて、ご自身の世帯の支出は平均よりも多いですか?それとも少ないですか?

・保険料は2024(令和6)年度「生命保険に関する全国実態調査」より





年齢層別・家族人数別や、世帯年収別の基本生活費と、ご自身の世帯の基本生活費をみくらべると、何か改善のヒントが見つかるかもしれませんね。
ざっくり平均でいえば3人・4人世帯または30代・40代の世帯の基本生活費は?
ライフプランニングを行うのは、主に3人・4人世帯または30代・40代の世帯が多いと思います。子供がまだ小さく、今後の学費や住宅ローン、働き方、老後に向けた積立投資など検討することがたくさんあるからです。
上記を総合すると、基本生活費の目安はざっくり以下のようにいえるかもしれません。
基本生活費の目安
3人世帯 年300万円前後(月25万円前後)
4人世帯 年340万円前後(月28万円前後)
30代の世帯 年300万円前後(月25万円前後)
40代の世帯 年340万円前後(月28万円前後)
これらのことから、世帯年収やお住まいの地域によっても差があると思いますが、「自分でつくれるエクセル・ライフプラン表」で入力する基本生活費は、3~4人家族だったり、30~40代の世帯なら年間300万円~340万円あたりが平均的かな、といえそうです。家計簿をつけていなくて、年間の基本生活費がまったく分からない、という場合は参考になさってください。
ライフプランから家計の節約額を検討する
「自分でつくれるエクセル・ライフプラン表」では、収入見込みや、基本生活費、住宅費、子供の教育費、保険料、自動車費、NISAやiDeCoなどの積立投資、老後の年金などを総合的に反映して、生涯収支が大丈夫かどうかを確認できます。
漠然と「節約をした方がいいと思う」と考えていても、ライフプラン表を作ってみると意外に大丈夫、ということがあります。一方で、「大丈夫だろう」と思っていたけど、ライフプラン表を作ってみると将来の資金がまったく足りない見込み、ということもあります。
リタイアが近くなってから焦らないように、感覚だけでなく、具体的な数字をもってシミュレーションを行い、どれだけ家計を改善すれば安心感のあるシナリオになるか検証してみるとよいと思います。

コメント