20年後は「老後”4000万円”問題」になる
モデル世帯(夫会社員、妻専業主婦)の公的年金受給額の水準は年250万円程と言われています。
一方、老後無職世帯の年間支出は年間約300万円程とのこと。
収入250万円 - 支出300万円 = マイナス50万円
年間50万円の不足 × 30年 = 1500万円
ざっくり、老後は2000万円必要ですよ、と騒がれたのはそういうことですね。
<総務省「家計調査年報」/2019年>
ただし、これは現行水準の話であって、20年以上先になれば、所得代替率は現行の6割→5割になる予定で、公的年金受給額は約2割減ると考えておく必要があります。
収入200万円 - 支出300万円 = 年間マイナス100万円
年間100万円の不足 × 30年 = 3000万円
つまり、20年以上後に老後を迎える30~40代以下の我々にとっては、現行水準の2倍不足が生じると考えておく必要があり、いま「老後2000万円問題」と言われているものが、「老後4000万円問題」と言い換えられるくらいのインパクトがあると思っておいたほうが良いでしょう。
<厚労省 2019(令和元)年財政検証関連資料>
上の表をみると、現在65歳の人の所得代替率が61.7%であるのに比べて、いま40歳以下の人の将来受け取る年金額は所得代替率で50%程に落ち込むと予想されています。
それでも資産が減らない老後シミュレーションは可能
公的年金だけでは毎年不足する分を、資産運用の効果を利用して資産を減らさない、というシミュレーションは可能です。
資産運用ですので、実際には毎年、最大プラスマイナス30%程の範囲の中で値動きがありながらも、平均すれば年6%程度の運用ができるという前提です。
上記のグラフは水色が普通預金等、オレンジが投資資金、緑は水色とオレンジの合計(=金融資産合計)を表しています。
現在30代の家庭が、60代に向けて金融資産および投資資産を増やしていき、60代で投資資産は4000万円程度までもっていきます。
投資資産が約4000万円だとして、それを年平均6%で運用できれば、年平均で240万円・・税引き後で約200万円の収入になります。
老後の公的年金受給額が年200万円だとしても、投資資産から得た収入として200万円ずつ現金化します。
それで老後不足する分を埋めていけば、金融資産を減らさずにどれだけ長生きしても大丈夫、という構図をつくることができます。
公的年金+資産運用利益ですから、別途働く必要はありません。
こういうシミュレーションが描ければ、いくら長生きしても安心で、子供たちにも経済的に迷惑をかける心配がなさそうでいいすね!
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