そもそも医療保険とはどういうものか抑えておこう
医療保険というのは、基本的には入院したら日額〇千円の保険金を払いますよ、という保険である。
たとえば風邪で通院だけ、は保険が出ない。
病気でもケガでもいいから「入院」することが保険金支払いの要件になる。
まず、そこを抑えておきたい。
特約(オプション)で、通院保障もあったりするが、それは入院に伴って生じた通院が保障されるというもの。
ほかに特約(オプション)では、〇大疾病(がん、心筋梗塞などの大きな病気)のときに保険金を上乗せして払うものや、健康保険(3割負担など)が適用されない先進医療の費用を保障するものなどがある。これは好みに応じて付帯すればよい。
他に、「ケガして通院、入院」などに備える保険は損害保険会社が提供する「傷害保険」ということになる。病気は対象外。この辺りは、生保と損保の単なる「住み分け」であり、個人的には分ける必要もないように思えるが。
医療保険の保険料水準は
たとえば、男性30才、入院日額5,000円、1入院あたり60日保障、終身保障、保険料終身払として比べてみたい。ただし、大手国内生保は1入院あたり180日保障だったりといくらか保障内容が広い。
大手国内生保 | 月5000円程 | 日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命、富国生命、三井生命、朝日生命 等 |
損保系生保 | 月1700円程 | 東京海上日動あんしん生命、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命、三井住友あいおい生命 等 |
外資系生保 | 月1500円程 | アリコ(現メットライフ)、アフラック 等 |
ネット生保 | 月1500円程 | ライフネット生命、SBI生命、オリックス生命、チューリッヒ生命、メディケア生命、アクサダイレクト、楽天生命 等 |
大手国内生保は、1入院あたりの保障日数が長いなど、保障内容はいくらか良いのだが、保険料がだいぶ高い。医療保険での価格競争は諦めて、保障内容をいくらか良くして単純比較できないようにする作戦をとっている。
損保系生保、外資系生保、ネット生保はだいたい保険料は同じくらいだがやはりネット生保が割安感がある。
ネット生保はどこが最もリーズナブルか?(医療保険)
では、具体的にネット生保の保険料を調べてみよう。
条件:男性、女性 それぞれ30才、入院日額5,000円、1入院あたり60日保障、終身保障、保険料終身払
保険会社 | 商品名 | 男性 | 女性 | 備考 |
---|---|---|---|---|
アクサダイレクト | アクサダイレクトの終身医療 | 1155円 | 1155円 | |
オリックス生命 | キュアネクスト | 1315円 | 1490円 | 先進医療付 |
FWD富士生命 | さいふにやさしい医療保険 | 1700円 | 1709円 | |
SBI生命 | 終身医療保険Neo | 1010円 | 1155円 | |
チューリッヒ生命 | 終身医療保険プレミアムZ | 999円 | 1069円 | |
メディケア生命 | メディフィットA | 1035円 | 1100円 | |
ライフネット生命 | 新じぶんへの保険 | 1578円 | 1701円 | |
楽天生命 | 楽天生命スマート2 | 1665円 | 1750円 | 先進医療付 |
保険料はチューリッヒ生命が一番安い。
先進医療付のオリックス生命、楽天生命にしても特約保険料は月100円ほどだから、やはりチューリッヒ生命が安い。
女性の保険料の方がいくらか高い場合が多いが、女性特有のがんなど若い人でも罹患するから。
これが50才、60才を超えると男性の方が保険料が高くなってくる。年を取れば男性の方が病気になりやすい。
いずれにしても、各社簡単に保険料試算ができるので、気になる人は、すべてのネット生保で自分の場合の保険料を試算してみてもいいと思う。そんなに時間はかからない。
ちなみに「ネット生保は会社として安心なのか?」と心配な方は、こちらの記事にも記載したので、参考にしてほしい。
県民共済、こくみん共済と生命保険会社の医療保険どっちがいいの?
県民共済、こくみん共済の医療保障は保険料が安いうえに全体の保険金支払実績に応じて年1回配当金として戻り金があるので、実質の保険料はだいぶ安いと感じる。しかし、保障内容をよく見ると60才以降の保障が半減したり、先進医療が付いてなかったり、金額が小さかったりするなど老後向きでない場合があるので注意。
県民共済、こくみん共済が悪いと言っているのではなく、若いうち(60才まで)の保障を重視したくて、60才以降は貯金が貯まるので医療保険不要という人には向いている。
一方、60才以降も医療保険は終身で入っておきたく、貯金も十分に貯まらないかもしれないという場合は、生命保険会社の医療保険(終身型)に若いうちに入っておいた方がいい。若ければ若いほど保険料が安いし、病気になってからは加入しづらくなるから。
ネット生保が複数社出てきて競争原理で保険料が安くなっているから、とりあえずネット生保の終身医療(先進医療付)に加入しておく、というのは無難な選択だと思う。60才くらいで貯金が十分に貯まり不要になれば解約してもいい。
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