手っ取り早く分散投資を実現することができる投資信託。
投資信託には大きく分けて「インデックス(パッシブ)型」と「アクティブ型」というカテゴリがあり、この2つのうちどちらを選ぶべきか考えたいと思います。
↑こちらの記事で紹介したデータはインデックス(パッシブ)の指標を用いています。
したがって、インデックス(パッシブ)型の投資信託で分散投資してればここで記述しているパフォーマンスを実現できたということになるわけです。
ちなみに、1990年から2019年までの30年間、日本株、日本債券、外国株、外国債券、外国リートに20%ずつまんべんなく(つまりインデックス型投信を選択して)、しかも毎年一定額ずつ投資をしてきた場合、(コスト抜きで)年平均リターン6.6%を実現できたことになります。
仮に年間100万円ずつ30年で3000万円を投資すると、それが約2.7倍の8200万円程になった計算。
いまや金融資産にはいろんな投資手法があり、FXや仮想通貨などリスクの高いものもあるが、上記のようなインデックス投信で、積立分散投資をしながらタイミングのリスクと、アセットクラスによるリスクを低減させると、年間で最大±30%程度のブレ幅に抑えることができたということになります。
また、債券の割合を増やすなどすればリスク(資産のブレ幅)を低減させるなどの調整も可能。
アセットクラスによるリスクとは、たとえば日本株だけに投資している場合、日本株が暴落すればそのまま痛手を被るということです。
株と債券は一般的に別の値動きをすると言われます。
また、日本株と世界株は連動性はあるもののやはり値動きは一致せず、株や債券、国内、国外、リートなどに分散投資をすればその分リスクを減らせるという考え方がベースにあります。
FXや仮想通貨など、失敗すると場合によっては投資額が全部なくなっちゃうような投資手法は選択できないけど、銀行預金金利だけというのも機会損失である、というような考えの場合には、自分のリスク許容度に応じて投資信託をうまく組み合わせてみることで、ライフプランをいくらか豊かにする効果を期待できると考える次第です。
インデックス(パッシブ)型とアクティブ型の成績を比べてみる
株式・投資信託・ETFの総合金融情報サイト『モーニングスター』で調べてみます。(いずれも2020.5時点)
国内株の場合
たとえば、「国内株式大型ブレンド・インデックスファンドのみ」で検索すると、TOPIXや日経平均に連動するファンドは57本。
3年間のリターンは0.22%~2.43%
一方、「国内大型株ブレンド・インデックスファンド除外」として検索すると、様々なテーマ(特色)を持ったファンドが171本。
3年間のリターンは-14.66%~6.33%
インデックス(パッシブ)型とアクティブ型を比較してみます。
アクティブ型で3年間のリターンがインデックス型の最高値である2.43%を上回っているのは171本のうち48本
インデックス(パッシブ)型に勝とうとしてアクティブ型を選ぶ場合、この3年間に限れば勝率48/171(28%)。
勝率もそうですが、インデックス型の方がリスク(価額の変動幅)が小さいことが分かります。
外国株の場合
では外国株はどうでしょうか?
「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジ無)、インデックスファンドのみ」で検索すると、34本あり、3年間のリターンはいずれも2.74%~5.23%におさまる。
対して、「国際株式・グローバル・除く日本、インデックスファンド除く」で検索すると、79本。
3年間のリターンは-22.02%~13.07%
インデックス(パッシブ)型に勝とうとしてアクティブ型を選ぶ場合、この3年間に限れば勝率12/79(15%)。
投資や世界の経済環境、見通しについてよっぽど詳しく先見の明がある方ならインデックス(パッシブ)型に勝てるアクティブ型を選べたのかもしれませんが、多くの人にとってはインデックス(パッシブ)型を選ぶ方がリスク(価額の変動幅)を考慮しても無難であったといえるのではないでしょうか。
また、アクティブ型はファンドのテーマ(特色)や、ファンドマネージャーの腕によって成果にバラつきがでることが分かってきます。
以下、インデックス型とアクティブ型の特徴を引用
(引用元:NIKKEI STYLEマネー研究所)
アクティブ型を批判するインデックス派の舌鋒(ぜっぽう)は鋭い。主な指摘は次のようなものだ。
(1)アクティブ型は手数料が割高なのでその分、インデックス型より成績は悪くなる
(2)実際に6~7割のファンドは運用成績がインデックスを下回る
(3)一時的に好成績を上げるファンドはあるが、好成績は何年も続かない。好成績は偶然の産物で、将来どのファンドが好成績を上げるかは全く予想できない
アクティブ型への批判に比べると声は小さいが、インデックス型には以下のような指摘がある。
(A)インデックス型投信は株価指数が下がれば利益が出ない
(B)インデックス投資は必ずしも効率的な投資法とはいえない
(C)不祥事を起こした企業やゾンビ企業などの株も投資対象となり、売ることもない
ライフプランを立てる場合、投資の面白みよりも信頼性の高い将来収支シミュレーションを行い、安心感を得たり、現実的な対策を模索することを目的とするので、特段の理由がなければ投資信託はインデックス(パッシブ)型をお勧めしたいところだ。
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