SBI証券のイデコに「オリジナルプラン」と「セレクトプラン」の2種類がある理由
SBI証券のイデコ(iDeCo/個人型確定拠出年金)では、「オリジナルプラン」と「セレクトプラン」いずれかを選択する必要があります。
もともとはオリジナルプランのみで、60種類以上のファンドラインナップがあったのですが、2018年に施行された「確定拠出年金制度等の一部を改正する法律」によって、取扱ファンド数を35本までにする必要が生じました。
既に運用している人がいるため、ラインナップから取扱ファンドを削除するのは簡単ではなく、現在は、オリジナルプランを35本以下にするべく少しずつ除外していっている段階ですが、いっそのこと、という感じで新たに35本程度の「セレクトプラン」を新設したのでしょう。
セレクトプランは、一部オリジナルプランにあった良い商品は採用しつつ、新たに競争力のあるファンドを揃えたという感じです。
▼SBI証券サイトより
新プラン(セレクトプラン)と旧プラン(オリジナルプラン)は何が違うのですかA.
【セレクトプラン】
2018年11月に導入した新しい運用プランです。コストや運用実績等を総合的に勘案し、お客さまの多様な投資ニーズにお応えすべくインデックスファンド・アクティブファンドをバランスよく「セレクト」したプランとなっております。信託報酬が低い投資信託を多くそろえているのも特徴です。【オリジナルプラン】
iDeCoサービス提供開始時からご提供のプランです。マーケットや時流に合った商品を拡充してまいりましたが、制度変更による商品数の上限を満たすよう運用商品の見直しを行いました。コストや運用実績から選定した35商品(現在、除外商品を含む全67商品のうち、2023年までに32商品が除外となり35商品になります)をラインナップとして提供いたします。
私は2016年からSBI証券でイデコ(iDeCo/個人型確定拠出年金)を運用しているため今でもオリジナルプランなのですが、一部除外対象のファンドを選んでいたので、同カテゴリ別商品へのスイッチを余儀なくされました。
オリジナルプランでは今後も残高の少ないファンド、または他ファンドに比べて競争力が劣るファンドから除外されていくのでしょう。
セレクトプランへの変更も可能なので、そのうち変更手続きするかもしれません。
インデックス型ファンドで「オリジナルプラン」と「セレクトプラン」を比較してみる
日本の公的年金制度だけでは不足する老後資金の補完としてイデコ(iDeCo/個人型確定拠出年金)があるわけで、投資の効果を生かしつつリスクを抑えるため、当サイトでは、「長期・国際分散・積立投資」をお勧めしております。
また、イデコで活用されている投資信託には、代表的な指数に連動するよう運用される「インデックス型(パッシブ型)」とその指数を上回る成績を目指す「アクティブ型」があります。
当サイトでは基本的に、手数料およびリスク(価格変動)が相対的に低く、結果的に勝率が高いとされているインデックス型(パッシブ型)をお勧めしています。
それでは、SBI証券のイデコ(iDeCo/個人型確定拠出年金)でインデックス型をベースに信託報酬(運用手数料)の低いファンドでオリジナルプランとセレクトプランを比較してみましょう。
条件:
・インデックス型(パッシブ型)
・2020.5.13時点の情報
・信託報酬が安いファンド(同じ場合は成績の良い方)
アセットクラス | 比較項目 | オリジナルプラン | セレクトプラン |
国内株式 | ファンド | 三井住友DS-三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド | ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド |
信託報酬 | 0.176% | 0.154%以内 | |
リターン | 0.70%(3年) | 3.68%(3年) | |
純資産 | 31,540百万円 | 10,013百万円 | |
国際株式 グローバル |
ファンド | ニッセイ-DCニッセイ外国株式インデックス | 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 先進国株式インデックス |
信託報酬 | 0.154% | 0.1023%以内 | |
リターン | 4.16%(3年) | 4.28%(3年) | |
純資産 | 30,535百万円 | 91,321百万円 | |
国内債券 | ファンド | 三菱UFJ国際-三菱UFJ 国内債券インデックスファンド(確定拠出年金) | 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 国内債券インデックス |
信託報酬 | 0.132% | 0.132%以内 | |
リターン | 0.69%(3年) | 0.68%(3年) | |
純資産 | 39,734百万円 | 8,499百万円 | |
国際債券 グローバル |
ファンド | 野村-野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け) | 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 先進国債券インデックス |
信託報酬 | 0.154% | 0.154%以内 | |
リターン | 2.87%(3年) | 2.89%(3年) | |
純資産 | 38,064百万円 | 9,308百万円 | |
国際REIT グローバル |
ファンド | 三井住友DS-三井住友・DC外国リートインデックスファンド | 三井住友DS-三井住友・DC外国リートインデックスファンド |
信託報酬 | 0.297%以内 | 0.297%以内 | |
リターン | -3.55%(3年) | -3.55%(3年) | |
純資産 | 5,205百万円 | 5,205百万円 |
こうしてみると、信託報酬はどちらかといえばセレクトプランの方が安いものが設定されていることが分かります。
(国際REITは同商品)
また、リターンの面でもセレクトプランの方が比較的良い成績。
純資産額は、およそ3,000百万円(30億円)を超えていれば、償還(ファド解散)になりにくいと言われていますので、上記ファンドは全てクリアしています。
結論:「セレクトプラン」がおすすめ
上記で比較した限りでいえば、セレクトプランのファンドの方が信託報酬が安く、成績も概ね勝っており、純資産額も問題ない。
ということで、これからSBI証券でイデコ(iDeCo/個人型確定拠出年金)を始める場合は、セレクトプランがおすすめ、といえます。
(オリジナルプランは「除外対象」のファンドもちらほらあって邪魔、という面もある)
ただ、信託報酬が安いといっても、国際株式で0.05%程度の差。
投資資金が1000万円だとして、年間5千円程の違いにしかなりません。
ですので、現在オリジナルプランで運用している人でも、急いでセレクトプランに変更する緊急性はないでしょう。
これから選択するなら「セレクトプラン」がベターというくらいでしょうか。
あとは、毎月の掛金をどういう割合で配分して、60歳時点でどのくらいの成果を目指していくか、ということになりますね。
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