イデコ(iDeCo/個人型確定拠出年金)、金融機関はどれだけ儲かるの?

投資
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運営管理費として金融機関等が受け取る手数料

一般の投資信託に比べて、手数料が安く、税制メリットが大きいイデコ(iDeCo/個人型確定拠出年金)。

運用中は、選択したファンドに応じて信託報酬(年0.1%程度~)が差し引かれ基準価額に反映しますが、その他、金融機関等に支払う手数料について確認しておきたいと思います。

※2020年5月時点、SBI証券の場合。

1.初期手数料
2,829円(当初1回だけかかる手数料)
・うち、国民年金基金連合会へ2,829円
・うち、運営管理機関(SBI証券)0円

2.運用中にかかる手数料
171円/月→2,052円/年
ちなみに、491円の内訳は↓
・うち、国民年金基金連合会へ105円
・うち、事務委託先金融機関(信託銀行)へ66円

仮に30歳の人が30年間投資するとして、

初期手数料2,829円+2,052円×30年=64,389円

30年間で6~7万円程。これが運営管理機関等に支払う手数料になります。

SBI証券の手数料は最安で、多くの金融機関が運用中にかかる手数料を年間500円前後徴収しています。

↓運営管理機関を手数料で比較

・運用中にかかる手数料171円/月 →30年で61,560円
・運用中にかかる手数料500円/月 →30年で180,000円

ちょっとした差がありますね。

金融機関を選ぶ際、一応注意しておきたいところです。

この手数料については年々下がっている印象で、とくに新規参入の金融機関の手数料が安いようです。

3.受取時の手数料
1回の振込みにつき440円

だいたい1回で受取ってしまうことが多いと思うので受取時の手数料はほとんど問題になりません。

↑こちらでも紹介したように、イデコの掛金は社会保険料控除となり、ふつうに収入を得ている会社員等ならば所得税・住民税あわせて年間約4万円~節税できます。

30年で考えれば100万円以上節税できるので運営管理機関等に取られる手数料など全然回収できてしまうことが分かります。

イデコ(iDeCo/個人型確定拠出年金)運営管理機関としてのビジネスメリット

運営管理機関としては事務的な手数料は上記のとおりですが、どういう事業戦略でイデコ(iDeCo/個人型確定拠出年金)のサービスを行っているのでしょう?

そのひとつは、投資額に対する信託報酬

たとえば、「ニッセイ日経225インデックスファンド」の年間の信託報酬は税抜0.25%
これが、委託会社(投資信託メーカー)には0.11%、受託会社(信託銀行=資産預かり係り)には0.03%、販売会社には0.11%と振り分けられます。

SBI証券は販売会社にあたるので管理資産の0.11%が毎年収入となるわけです。

個人型確定拠出年金が十分普及して、一人当たりの平均資産が500万円になったとします。

仮に100万人が利用していれば、
100万人×500万円×0.11%=55億円がSBI証券としての年間収入になります。

仮に1000万人が利用していれば550億円がSBI証券としての年間収入になります。

SBI証券の売上高は年間1000億円程なので、ひとつの事業の柱になり得ますね。

また、政策的に進められているイデコでまずは顧客を囲い込むことで、ほかの取引にもつなげたい考えなのでしょう。

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