保険金をつかって建物を無料で修理できますよという勧誘に応じてはいけない
近年、特に台風シーズンになると、「火災保険をつかって建物を無料で修理できますよ」という怪しい勧誘が増えていて、トラブルになる悪質なケースが増えているとのこと。
▼国民生活センターより
2017年の時点でトラブル相談件数が1000件オーバーということは、2018年、2019年は全国的に台風被害が大きかったので、もっと増えていると推測されます。
また、これはトラブル相談件数であって、氷山の一角。
悪徳業者が関わって保険金請求によって修理をし、家主から悪徳業者に不当・不正な対価が支払われたケースは相当数あるのでしょう。
そもそも台風などで被害を受けたら、火災保険で修理代が(妥当な金額であれば)保険金として支払われるので、「自分で」保険代理店や保険会社に連絡をすればよいのです。
こういう悪徳業者は悪徳工事業者であったり、悪徳工事業者と結託しており、
・不当に高い修理見積がでる
・支払われた保険金のうち3割を要求する
・壊れていない屋根を台風で壊れたように見せかける
・工事がずさん
・工事をしない場合でも受け取った保険金の3割を要求する
と、このような特徴があるようです。
たとえば、老朽化による雨漏りの場合、「経年劣化」として保険金支払対象外であるにも関わらず、台風によって屋根が破損し、結果的に雨漏りとなったなどと悪徳工事業者がうその写真や説明を作り上げます。
これは保険金を不当に受け取るよう画策した保険金詐欺であり犯罪です。
悪徳業者からの「こういうことにしておいてくださいね」とか「我々がアドバイスしていることは保険会社には言わないでください」という要求に従えば、家主も詐欺に関わったとして刑事罰を受ける可能性があります。
近年、自然災害が増加し、損保会社もその時期になると対応に追われ、とにかく処理優先で保険金支払査定が簡素化されることがあります。そこもつけこまれる一因なのでしょうね。
悪徳業者が目を付けた「臨時費用保険金」
火災保険が支払われる場合、多くのケースで「臨時費用保険金」として、修理代のほかにプラス10%~30%が上乗せして支払われます。
特に2019年9月以前の火災保険契約だと、この臨時費用保険金が30%に設定されているケースが多いです。
修理代の他に30%が上乗せされて支払われるので、費用としては”浮く“ことになり、悪徳業者はここに目をつけたのだと思われます。
2018年、2019年は全国的にも台風・洪水被害が多発し、損保会社も多額の保険金を支払うことになりました。
ここで、「臨時費用保険金は本当に30%必要なのか」ということで、2019年10月以降の火災保険契約の多くが臨時費用保険金は10%がスタンダードとなっています。
こういった保険金詐欺への対抗手段という側面もあるのでしょう。
まとめ
もし、親切そうに「火災保険をつかって建物を無料で修理できますよ」「新品になりますよ」などという勧誘電話があったとしても絶対に応じてはいけません。
台風等で被害があったのなら、自分で保険代理店や保険会社に相談しましょう。
保険金が出ないものはでない、支払われるものは妥当な金額が支払われるということです。
また、不当に高い修理金額を請求する工事業者もあるので、できれば2社以上から相見積もりをとりましょう。
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