ライフプラン表は、生涯収支や資産形成をシミュレーションするために役立つツール。ライフプラン表の作成をプロのファイナンシャルプランナー(FP)に依頼することもできるが、平均的に43,000円※の費用がかかることや、複数回の面談の煩わしさ、個人情報を提供する心理的ハードルがある。
(※FP協会『2021年度ファイナンシャル・プランナー実態調査』より)
ライフプランを「自分で」なおかつ「エクセルで」つくれれば、費用やスピード感などいくつかのメリットがある。
「自分で」ライフプランをつくるメリット
納得感を得やすい
ライフプラン表の作成をFPに依頼する場合、提示された内容について100%納得できない場合があるかもしれない。質問や修正依頼をするほどでない小さな疑問は相手に悪いと思い言い出せなかったり、または修正に追加費用がかかったりする。
「自分で」ライフプラン表をつくることができれば、どうしてその数字を用いたのか、どんな前提条件でそのプランが組まれたのかを深く理解できる。
たとえば、収入や生活費、住宅費、子供の教育費、保険料、自動車費、投資など自分で一つずつ入力したり調べたりすることで、より納得感を得やすくなる。
そして、数字をあれこれ調整し、それがキャッシュフロー表にどう反映するか確認することで、納得感のあるシナリオにたどり着きやすくなる。「仕事を●歳で辞めたら」とか「生活費を月●万円抑えたら」など、細かい調整や検討はライフプランニングにおいて有効に働き、実行性が高まる。
自己完結できるとリーズナブル
ライフプランの作成をFPに依頼すると、上述のとおり平均43,000円ほどの料金や複数回の面談や個人情報の提供が必要となる。さらに修正や定期的なメンテナンスの度に時間と費用がかかる。もちろん、専門家に依頼することで、自分で作成する手間がなかったり、専門家からの有用なアドバイスが期待できるというメリットもある。
一方、自分でライフプラン表を作成できれば、ほぼ費用はかからない。必要なものは、ライフプラン表を作成するための網羅的な知識や、エクセルスキルである。
「エクセルで」ライフプランをつくるメリット
なおかつエクセルでライフプラン表をつくれば、さらにいくつかのメリットがある。
いくつでもコピーができる
エクセルならファイルをいくつでもコピーができる。「たとえばこういうプランだったら」と想定して、いくつかのライフプラン表をつくり、納得感のあるプランにたどり着きやすくなる。
数字や数式、グラフ、色など自分好みのデザインにできる
エクセルの利点は柔軟性である。ライフプランニングにおいても将来の収入や支出、投資額などの数値を自由に設定できる。関数が使えるなら、なお便利に使うことができる。ライフプランは一度作成しても実態に合わせてどんどん修正が発生するが、エクセルならばすぐに修正できる。これによりライフプラン表を常に実態に合わせたものとして維持できる。
数字を色々と変更しながら、最適なバランスを検討できるため、長期的な計画に対する安心感が得やすくなる。
また、エクセルなら色を変えたり、グラフを作ったりと視覚的に見やすく自分好みにすることも簡単。特にライフプラン表は数字の羅列になるので、グラフ化してどの時点でいくら資産があるとか、どの時点の収支が厳しいということを視覚的に分かりやすくグラフ化すると理解が深まる。
視覚的に楽しく、使いやすい自分専用のライフプラン表が作成できれば愛着も湧いてくる。愛着のある自分好みのツールができれば、普段から使う頻度が増え、家計改善の実効性が高まる。
メンテナンスがラク
ライフプラン表は一度作成したら終わりではなく、定期的なメンテナンスが大切。たとえば1年後に見直すと収入や支出について予想できていなかったプラスマイナスに気づくことが多い。
また、将来の計画についても状況や考え方により変更する。
ライフプラン表を定期的に見直すことによって、自然と精度が上がっていく。実際の生活に則したデータを反映することで、信頼性が高まり、未来の予測もより現実的なものになっていく。
家計簿、資産、保険など一元化できる
エクセルならば、家計簿や保険一覧、投資資産管理などを同じファイル内でシートを分けるなどして、一元的に管理ができる。これによりライフプラン表と合わせて家計の全体像が把握しやすくなる。
たとえ離れていても家族で共有ができる
エクセルならば、家族で共有することも容易。
たとえば単身赴任などで別々に暮らしている場合でもメールやクラウドサービス(Googleドライブ、OneDriveなど)を通じて、家族と簡単に共有できる。家族で家計管理の共有ができれば、将来の共通の目標実現に向けて協力する意識が高まるかもしれない。
また、家計管理を共有することで、無駄遣いが減るとか、保険契約を整理・共有することで、無駄のない納得感あるプランにできるとか、投資の現状や将来の計画について共有することで相互理解が促進され安心感につながる。
まとめ
ライフプラン表を「自分で」「エクセルで」作成することには、多くのメリットがある。納得感を持ちながら計画を立て、自己完結でコストを抑えられる点は大きな魅力。また、エクセルの自由度の高さ、視覚的なわかりやすさ、メンテナンスの容易さ、そして家族での共有のしやすさなど、エクセルならではの利点が多い。紙の家計簿を毎年購入する必要もなくなる。
ライフプラン表を自分で作成することは、将来の不安を減らし、安心して仕事をして生活を送るための有効なツールとなる。
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