被保険者ってなに?
保険の被保険者とは、保険の補償を受ける人または保険の対象になる人のことを言います。
保険事故が発生したときの保険金請求権は被保険者にあります。 もし、保険契約者と被保険者が異なっている場合、保険契約者は保険金請求を行うことはできません。
火災保険などの物保険であれば、「所有者」が被保険者となります。
一方、賠償責任保険の被保険者には、その保険で想定する事故により法律上の賠償義務を負う可能性のある人(会社)を被保険者として設定します。
施設賠償責任保険なら、契約者=記名被保険者となっていることが多いと思いますが、施設の所有、使用、管理に起因する賠償事故や、業務遂行上の賠償事故が起きた場合、その責任を問われる人が被保険者として設定されている必要があります。
施設賠償責任保険の被保険者の範囲は?
施設賠償責任保険は主に以下のような賠償事故を補償するものです。
(2) 業務遂行上のミスに起因して対人・対物事故が生じた。
例)
・老朽化して破損していた施設の一部を放置してしまい、強風の際落下して他人にケガをさせた。
・業務上、従業員が自転車で外出した際、他人に接触、ケガをさせた。
→治療費、休業損害、慰謝料などを保険でカバー
(参考)
被保険者の範囲について、一般的には以下のように規定されています。
次の①および②に掲げる者をいいます。
① 記名被保険者
② 記名被保険者の使用人等。ただし、記名被保険者の業務に関するかぎりにお いて、被保険者とします。
記名被保険者の使用人等
次の①から③に掲げる者をいいます。
① 記名被保険者の役員および使用人
② 記名被保険者の下請負人
③ 記名被保険者の下請負人の役員および使用人
たとえば、A株式会社が契約者および記名被保険者の場合、以下の方々が被保険者になるということですね。
・A株式会社
・A株式会社の役員・従業員(ただし、A株式会社の業務中のみ)
・A株式会社の下請会社、下請会社の役員・従業員(ただし、A株式会社の業務中のみ)
A株式会社の業務中でないとき、つまりプライベートの間はA株式会社の役員・従業員であっても被保険者にはなりません。
賠償責任保険では、通常、被保険者間の賠償事故は補償対象外になりますが、もし、A株式会社の役員・従業員がプライベートでケガをし、その原因がA株式会社にある場合、お互い「他人」になりますから、賠償責任保険でカバーし得る、ということになります。
(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。