ゴルファー保険とは
昔ながらの優良企業に多いような気がしますが、企業のなかにはクラブ活動があって、「ゴルフ部」が存在するケースがあります。ゴルファー保険についてはゴルフ部で「団体ゴルファー保険」として部員一括で付保しており、「クラブが壊れたんだけど・・」という問い合わせがよくあります。
まず、ゴルファー保険とは以下の保険がセットになっている保険になります。
・賠償責任保険 | 対人・対物賠償責任保険。他人にケガをさせた場合の治療費や慰謝料等をカバーしたり、他人の財物を損壊させた場合の賠償金をカバー |
・傷害保険 | 自身がケガをした場合に一定額が保険金として支払われる |
・用品損害 | 自身のゴルフ用品が偶然破損したり、盗難にあった場合の保険 |
・ホールインワン・アルバトロス費用 | ホールインワンまたはアルバトロスを達成した場合の記念品代や祝賀会費用をカバーする保険 |
いずれもゴルフプレー中またはゴルフ練習場での練習中に限って補償されるため、保険料は比較的安く、年間数千円程度の契約が多いです。ホールインワン・アルバトロス費用は、記念品を贈ったり祝賀会をするような文化がなければ外しても構わないでしょう。
ホールインワン・アルバトロスは、第三者の証明が必要になるため、基本的にキャディさんがいないセルフプレーだとそもそも保険金請求ができない場合が多いので、契約時には念のため注意しましょう。
損害保険とはそもそも、「ヒト」「モノ」「賠償」「利益」「費用」の5つの分野で構成されることが多いですが、ゴルファー保険は、「賠償」=賠償責任保険をベースとして、「ヒト」=傷害保険、「モノ」=用品損害、「費用」=ホールインワン・アルバトロス費用と4つがセットになっています。
これを深く理解するだけでも損害保険の基本が色々と分かる教材になり得るような気がします。
上記の補償のなかでも最も保険金請求が多いのが「用品損害」です。
スイングした際にダフってヘッドが壊れた、というのが一番多いでしょうか。
また、カート運転中に間違ってクラブ落下させ、カートで踏んでしまった、ということもあります。
用品損害の保険金請求手順
変わった事故だと、クラブセットごと全部ゴルフ場の”谷”に落下させてしまって回収不能ということがありました・・
ゴルフクラブが壊れたり、クラブセットごと盗難にあった場合等の用品損害は、以下のような手順で保険金請求を行います。
1.保険代理店または保険会社へ連絡
一応、保険の時効は3年ですが、できるだけ早く連絡しましょう。保険代理店または保険会社へ連絡すると、保険金請求の案内書類および保険金請求書類が郵送されます。
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2.保険金請求に必要な書類を用意して提出
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3.保険会社より支払保険金額について回答がある
回答された支払保険金額について問題なければ、概ね1週間前後で保険金が振り込まれます。
保険金請求に必要な書類
保険金請求にあたっては、少なくとも以下4点が必要になります。
・保険金請求書
保険代理店または保険会社に連絡後、保険会社所定の用紙が送られますので、住所、氏名、保険金振込先、損傷したクラブのメーカー、モデル、購入時期、購入金額などを記載します。
・事故証明書
ゴルフ場またはゴルフ練習場ではこういった申し出に慣れており、「クラブが破損したので事故証明書をください」というと証明書を発行してくれます。保険会社所定の事故証明書でもいいし、ゴルフ場またはゴルフ練習場で予め用意しているフォームでもOKです。クラブが破損したら、帰宅前にゴルフ場またはゴルフ練習場に申し出て事故証明書をもらっておくと効率的ですね。
・写真
クラブがどのような破損したか保険会社が確認するために写真を撮ってください。損傷した箇所のアップと、クラブ全景の2パターンがあるとよいです。以前は破損したゴルフクラブを保険会社が回収することもありましたが、現在ではほとんど回収しません。
・修理見積もり
ゴルフショップに損傷したゴルフクラブを持ち込んで、「修理見積もりをお願いします」と依頼します。修理できる場合と修理できない場合がありますが、修理できない場合は「修理不能」の旨を記載した書類をもらってください。
支払保険金額は時価額が基準となる
保険会社へ上記4点の書類を提出すると、保険会社が書類を受け取ってから、(多忙でなければ)通常、1週間前後で支払保険金額の回答がありますが、支払保険金額は「時価額」を基準として計算されます。
修理可能な場合は、修理見積書に記載の税込金額が妥当と判断されれば、その金額が支払保険金となりますが、ただし、時価額が限度となります。
時価額とは、同等のものを再調達する金額から、経年減価させた金額のことで、分かりやすくいえば「中古価格」のようなものです。
修理不能または修理金額が時価額を超える場合は、全損となり、計算された時価額が保険金として支払われます。
たとえば新品で購入した時期が数か月以内だと「時価額=購入金額」とみなされることが多いです。
ときどき、購入した金額よりも修理費用の方が高い、という場合がありますが、その高い修理費基準では保険金は支払われませんので注意が必要です。
保険金の使い道は自由!
認識違いをしている方もいらっしゃいますが、実は支払われた保険金は使い道自由です。
修理見積もりだけとって、保険金を受け取り、修理をしない選択肢もあるのです。
修理可能な場合でも、その保険金を活用して別なクラブを購入してもOKです。
保険の考え方としては、「保険の対象物が損傷し、被保険者は金銭的な損害を受けた」→「それに対し保険を支払う」というシンプルなものなのです。
保険金を受け取った後、保険金の使い道を保険会社へ申告する必要もありません。
以上、ゴルフクラブが損傷した場合の保険金請求方法ですが、ゴルフをするにあたり、保険金請求方法まで頭に入れておくと、少しは安心してプレーできるのではないでしょうか。
(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。