AI活用により保険金詐欺を削減する試みが始まるようです。
海外では保険金請求の1割が保険金詐欺である、と。
日本における損保会社の保険金支払いは年間5兆円程であり、そのうち数百億円が保険金詐欺によるものとみられています。
私が過去に担当した事故(お客様が自動車保険契約者、相手が被害者)でも、わざと車にぶつかったように思える事故であったうえ、単なる打撲なのに半年も通院、保険会社が家を訪ねても居留守(ぽい)など、極めて怪しい件もありました。医療機関も結託しているのではと疑ってしまいます。
現状では、保険金詐欺かどうかを見破るのは保険金支払い担当者が1件ずつ調べる必要がありますが、AIによる詐欺検出の仕組みができると、請求者、地域、内容、過去の不正請求、関係者の勤務先などを踏まえ、自動的に不正請求の可能性についてアラートが出るようになるそうです。
保険金支払い担当者にとっては業務効率が上がり、損保会社にとっても無駄な保険金支払いが減り、真面目な保険契約者にとっても公平性が保たれることになります。
現状、損害保険のうち、自動車保険だけは過去の事故歴について損保会社各社で情報共有がなされており、そのため保険会社を切り替えても割引等級を正しく継承することができる仕組みとなっています。
自動車保険は損保会社の保険料収入の5割以上を占めることもあり、もっともシステム改良が進んできたのでしょう。
それ以外の火災保険や賠償責任保険、傷害保険などは損保会社間での過去の事故歴について情報共有がまだなされていないようで、保険会社も代理店も切り替える場合、過去に事故があったかどうかは契約者の良心に基づく申告次第、という場合もあります。
(ブラックリストのようなものはあるみたいですが)
AIの活用によって業務が効率化され、保険というものがより公平な姿になると良いですね。
(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。