フリート(10台以上)契約とノンフリート(10台未満)契約の違い
同一契約者で10台以上の自動車保険を契約する場合を「フリート契約」と呼んで、10台未満の契約(ノンフリート契約)と区別しています。
ちなみにWikipediaによれば、”fleet”の意味のひとつに「何らかの集まりを意味する言葉」とあります。
フリート契約とノンフリート契約の大きな違いは、割引制度が異なることです。
自動車保険に加入したことのある方なら分かると思いますが、ノンフリート契約は一度事故を起こして保険を使用すると、事故の種類に応じて次回の割増引等級が1等級ダウンまたは3等級ダウンまたはノーカウント事故となります(ただし複数年契約の場合は別の計算になる)。
ちなみにノンフリート契約の場合、複数台あれば、それぞれの車個別に1~20までの割増引の等級が設定されます。(以下のような感じ)
・車A・・10等級
・車B・・15等級
・車C・・8等級
(↓ノンフリート契約の割増引等級 三井住友海上 一般用自動車保険パンフ2019.1より)
ノーカウント事故の例
人身傷害、無保険車傷害、搭乗者傷害、地震・噴火・津波車両全損時定額払特約、レンタカー費用、ロードサービス、ファミリーバイク、弁護士費用、日常生活賠償 など
1等級ダウン事故
車両保険のうち、火災、爆発、盗難、台風、竜巻、洪水、高潮、落書、いたずら、飛来中の物体との衝突(飛び石等) など
3等級ダウン事故
ノーカウント事故および1等級ダウン事故以外の事故、車両単独損害、対人事故、対物事故は3等級ダウンになります。
自動車保険を使ったら必ず3等級ダウンすると思いこんでいる方もいらっしゃいますが、そうではないのですね。1等級ダウンとかノーカウント事故もあります。
一方、フリート契約は、多くの場合、保険始期の半年前までの1年間(または2年間)の損害率(支払保険金÷支払保険料)によって所有または使用している車全体の割増引率が決定します。
元の保険料が500万円として、
・割引率70%の場合・・契約保険料150万円
・割引率0%の場合・・契約保険料500万円
このように同じ車、同じ補償条件でも保険金支払が多いか少ないかで負担する保険料が大きく変わってきますので、まずは安全運転に努めたいものです。
フリート契約の保険料を下げる6つの方法
フリート契約は10台以上まとめての契約で総額保険料が大きくなりますので、割増引が少し変わるだけで、保険料が大きく変わります。
過去起きてしまった事故は仕方ないですが、更新保険料の見積もりにあたり、できるだけ保険料を削減する例を6つご紹介しますので使えそうなものがありましたら参考になさってください。
1.車両保険の種類を変更する
本当にざっくりですが、車両保険(一般条件)を付帯している場合、保険料のうち半分ほどは車両保険の分になっています。
事故の種類としては「単独事故」が圧倒的に多く、十数万円~数十万円の車両保険金支払が事故の多くを占めています。
もし、車両保険(一般条件)で契約している場合、車両保険(限定条件)に変えてみたり、または古い車両については車両保険を外すなど検討することで、保険料を抑えることができます。
2.車両保険の自己負担額を変更する
車両保険の自己負担額を上げると保険料が削減されます。
ただ、自己負担額を上げたことでトータルの負担額が増えてしまうと本末転倒ですので、自己負担額を何パターンか設定した見積りを検討し、自社の事故の傾向を踏まえて選択するとよいでしょう。
3.人身傷害業務災害不担保特約を付帯する
保険会社によって特約の呼び方が若干異なりますが、業務中の車運転による社員のケガについて自動車保険からは傷害保険金が支払われないようにすることで保険料が削減できます。
業務中の社員のケガですので、基本的には労災があるでしょう、という考え方です。
4.事故削減プログラムを利用する
保険会社によっては安全運転講習会や、独自の事故削減プログラムを用意していて、条件に合致すると数%保険料を割り引いてくれる場合があります。
5.リースカー専用の特約を付帯する
業務で使用している車がリースカーの場合、保険会社によってはリースカー専用の特約があって、車両が全損した場合、リース会社の中途解約金と同額を保険金として支払う設定にすることで、車両保険料が1割安くなるというメニューがあります。
6.相見積りをする
自動車保険分野は大手損保会社でいえば収入保険料のうち6割程度を占めるメイン商品であり、毎年のように商品改定・料率改定を行っています。
車の用途車種によっては今年は○○保険会社が安いとか、△△保険会社が安いとか差がでてきます。
もし数年、保険会社の相見積をしていない場合はトライしてみるとよいでしょう。
(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。