事故原因が明確でなくても保険金請求は可能
火災保険に関して、施設の損傷があったとして事故報告を頂く際、事故原因が明確でない場合がときどきあります。
たとえば。
・施設が損傷しているのを発見。原因者不明。(おそらく車が接触したものと思われる)
・配電盤等がショートしていた おそらく雷によるものだと思うが・・
・休日明けに出勤したら施設の屋根の一部が破損していた。おそらく強風によるものだと思うが・・
「事故原因が明確でないと保険金は請求できませんか?」
と聞かれる場合もありますが、そんなことはありません。
損傷状況と様々な可能性の中から、もっとも可能性の高い事故原因を推定し、保険会社もその事故原因がもっともらしいと認定すれば、それに基づいて保険金請求が可能です。
事故原因が明確でないからといって真面目に考えすぎてしまって「事故原因は分かりません」というのはNGで、事故原因は”推定”しましょう。
「おそらく~~だと思われる」という感じでもまずはOKです。
ただし、もっともらしい事故原因が決まったとして、その事故原因による損傷が補償されるような契約になってないといけません。
補償項目によって支払限度額や免責金額が異なっている場合もあります。
たとえば、電気的・機械的事故かなと思っていたら、落雷事故と認定され、高額な免責金額が適用されたために保険金支払対象外、ということもあります。
補償項目ごとの支払限度額、免責金額を設定している場合、実際に起きた事故も考慮して、ときには見直しが必要になる場合もあるでしょう。
保険金支払後、事故原因が明確になった場合は?
保険金請求の段階では「おそらく~~だと思われる」というレベルだった事故原因が、保険金が支払われた後、何かのきっかけで明確になったらどうなのでしょう?
もし、保険金支払の根拠となった事故原因と事実が異なっていて、保険金が多くもらえそうな場合は、保険会社へその旨を伝えてみましょう。
保険会社は事実に基づいて支払保険金の再検討・再計算をしてくれるでしょう。
逆に、再検討されることで保険金が少なくなってしまう場合は・・・
立場上、「良心に基づいて正直にご申告願います」という感じでしょうか・・
(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。