日本の損害保険契約は圧倒的に保険代理店扱いが多い
損害保険を契約する場合は、主に3つのルートがあります。
1.保険代理店
2.保険ブローカー(仲介人)
3.保険会社直扱い
保険会社直扱いの中には、ダイレクト系自動車保険も入っていますので、それを除けば日本の損害保険はほぼ代理店扱いと言っていいと思います。ちなみに企業が契約する火災保険なども保険会社がOKといえば直扱いができることがありますが、代理店扱いの場合と保険料は変わりませんし、保険会社は特段の理由がない場合は代理店扱いにしてください、というスタンスです。
保険代理店の種類は約半分が自動車ディーラーなどの自動車関連で、1割強が不動産関係、専業代理店が2割弱、その他、という構成です。
保険代理店と保険ブローカーは顧客側から見ればあまり変わらない
保険代理店も保険ブローカーも保険会社から保険を仕入れて顧客へ販売するという意味では同じですが、以下のように微妙に枠組みが異なります。
保険代理店
保険代理店は、損害保険会社と損害保険代理店委託契約を締結し、損害保険会社に代わって保険を募集します。
保険ブローカー(仲介人)
保険ブローカー(仲介人)は、顧客からの委託(指名状や委託契約)を受けて損害保険を提案します。
「代理店は保険会社の味方で、ブローカーは顧客の味方だ」という人もいますが、それは心構えの問題で、仕組み上の話ではありません。代理店でもブローカーでも基本的には皆同じように、顧客のニーズや意向に沿った形で保険を提案しています(いると思います)。
保険代理店が複数の損害保険会社と委託契約を締結している場合は、各保険会社と同列に引受交渉ができます。いかにリーズナブルな保険商品を顧客へ提供できるかどうかは、代理店・ブローカーという枠組みは関係なく、メニューの多さと設計力、保険会社との交渉力が関係してきます。
保険取扱において海外では、保険ブローカーの方がメインプレーヤーになっています。日本においても保険ブローカーへの参入規制緩和などありましたが、実質的な役割は複数の保険会社乗合代理店と変わらないため、保険ブローカーがさほど増えていないようです。
ただし、海外の保険会社との橋渡しなど、保険代理店にはできず、保険ブローカーにしかできない業務もありますので、海外拠点のある大企業などは保険ブローカーを活用する場面もあったりします。
また、損害保険契約の中には、”代理店分担”と言われる保険料の分担の仕組みがあり、これは仕事上の取引や株主関係など契約者として一定の配慮をしなければならない時に、関係代理店に任意の割合で保険料を分担させることができるものです。保険ブローカーは、この分担の仕組みには入れませんので、分担をしたい場合は保険代理店をつかう必要があります。
(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。