保険会社も間違うことがあると考えるべき
何か事故があって保険請求する場合、保険会社からの支払保険金の案内について「間違いない」とか「それに対して異議を申し立てるなんておこがましい」などと考えてしまっている方がいますが、保険会社もたまに間違いますので注意が必要です。
たとえば特約を見落としていて誤った支払保険金額を案内してしまったり、払えると回答したのにその後間違いに気づいて撤回したり、逆に、払えないと回答されたものに対して事実をよく調べた結果「やっぱり払えます、すみません」ということもあります。
特に、地震や大規模洪水、大型台風など保険事故件数が増えると保険会社の査定担当者も超多忙になったり、普段は保険の査定をやっていない社員がヘルプで来ていたりするので、結果的に間違いが増えます。
保険会社は、写真や報告書、電話での説明だけでは分かりにくい事故、または高額な事故でない限り、事故現場を見に行きませんので、被害者(被保険者)と認識のズレが生じることもあるのです。
間に代理店が入って代理店も丁寧に事故対応できる場合、代理店は契約時から対象物件や補償内容を理解していたり、長年の付き合いがあるので、保険会社の間違いに気づき、保険金支払いの間違いやトラブルを防止できたりします。
一方、代理店が丁寧に対応しなかったり、保険会社と保険金請求者が直接やり取りする場合は、盲目的に保険会社を信用するのではなく、保険会社もたまに間違うことがある、と認識しておく方が良いでしょう。
そんぽADRとは?
保険会社からの支払保険金の回答に納得できなかったり、保険会社の対応の悪さに抑えきれない程の憤りを覚える場合などの相談窓口として、損保協会が運営するそんぽADR(裁判外紛争解決手続)というものがあります。
※ADR=Alternative(代替) Dispute(紛争) Resolution(解決)
損保協会は、損保の普及、品質向上、募集人試験などの事業を行っている300人ほどの一般社団法人で、日本の各損保会社が加盟しており、100年以上の歴史があります。
頼れる代理店もなく、保険会社の言い分に納得いかない場合は、そんぽADRを利用することも検討してみましょう。
そんぽADRに相談することで、トラブル解決のためのサポートを受けることができて、無事解決するかもしれません。
そんぽADRへの相談件数
2017年のそんぽADRへの相談件数は、32,000件程あったとのこと。
平均すると1日100件近くの相談があり、それだけ保険会社と揉めている案件があるということですね。
保険種類別でみると、自動車保険20,625件、火災保険2,450件、傷害保険2,104件、新種・海上保険2,987件、その他4,495件となっています。
苦情・相談の例
・自動車全損の評価に納得できない
・整骨院への継続通院が保険会社に認められない
・保険会社からの連絡が遅すぎる
・保険金を払えると言われていたのに払ってくれなかった
なお、ADRに相談したからといって必ず解決するわけではなく、保険契約者と保険会社の言い分が平行線のまま不調に終わることも多々あるようです。
(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。