2018年は世界の損保会社にとってどんな年だったか
戦争、紛争、飢餓、テロ、難民・・・世界にはいろんな問題がありますが、こと2018年の損害保険の支払対象となる事故・自然災害トップ10について世界的な保険ブローカーであるAON社がレポートをリリースしておりました。
まず、2018年は世界全体で約900億米ドル(約9.9兆円※)の保険損失があり、統計がある2000年以降では過去4番目に多かったとのこと。
(※1米ドル=110円として)
そのうち、日本は7月豪雨、9月の台風21号、台風24号などで約120億米ドル(約1.3兆円)の保険損失があり、日本では過去最高の保険金支払になった年でした。全世界のうち13%程を日本の災害が占めていた、とうわけですね。
2005年はオーストラリアを中心に発生したサイクロン、2011年は日本の東日本大震災、2017年はアメリカの複数のハリケーン、2017年および2018年はアメリカの山火事も大きな災害になっています。
▼2018年世界の保険損失額トップ10
1.山火事「キャンプファイヤー」
保険損失額120億米ドル(約1兆3200億円)
アメリカ・カリフォルニア州
11月
2.ハリケーン「マイケル」
保険損失額100億米ドル(約1兆1000億円)
アメリカ・南東部
10月
3.台風21号
保険損失額85億米ドル(約9400億円)
日本
9月
4.ハリケーン「フローレンス」
保険損失額53億米ドル(約5800億円)
アメリカ・東部
9月
5.山火事「ウールジー」
保険損失額45億米ドル(約5000億円)
アメリカ・カリフォルニア
11月
6.7月豪雨・洪水
保険損失額26億米ドル(約2900億円)
日本
7月
7.台風24号
保険損失額26億米ドル(約2900億円)
日本
9~10月
8.サイクロン「フリーデリケ」
保険損失額21億米ドル(約2300億円)
ヨーロッパ各地
1月
9.干ばつ
保険損失額18億米ドル(約2000億円)
アメリカ
1年を通して
10.ひょう
保険損失額18億米ドル(約2000億円)
アメリカ
6月
トップ10の災害で合計51億米ドル(約5兆6100億円)の保険損失があり、その他も合わせると、2018年は合計900億米ドル(約9兆9000億円)の保険損失があったということでした。
保険損失をプロットした世界地図を見ると、南米やアフリカ、中央アジア、ロシアなどは災害がないように見えますが、これはそもそも損害保険が発達していないか、情報不足ということでしょう。
温暖化の影響もあるのでしょうが、自然災害を発生させないようにすることはできません。自然災害が発生するのであれば、いかに損失を小さくするか、知恵を絞って工夫することを考えたいものですね。
(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。