急拡大中のドローン市場
この数年で急に利用シーンや市場が伸びている感のあるドローン。
安定した飛行と高機能カメラのおかげで、大規模工事現場や橋、道路などのインフラ、施設の点検・警備、危険区域・高所からの映像確認や、農林・漁業の作業の効率化、配達などに活用されており、ますます普及し、生産性の向上に大きく寄与するものと思われます。
「ドローンビジネス調査報告書」によれば、2016年度には日本国内での市場規模が353億円で、2018年度には860億円まで拡大し、2024年度には3,711億円まで拡大すると予想されています。
10年経たずに市場が10倍にもなるんですね。
ドローンの機器自体は値段もそんなに高くないし、「是非、自社の業務に活用したい!」というニーズもあると思いますが、操縦ミスでドローンを壊したらどうしよう・・、操縦ミスで他人にケガなどさせたらどうしよう・・という不安もあるかと思います。
ドローンを操縦するにあたっては今のところ「免許」は不要ですが、場所によって飛ばす高さなどの規制がありそれらを認識し守る必要はありますし、場所・用途に応じた一定の練習が必要でしょう。
また、ドローン操縦の民間スクールが国内でも複数あり、一定のカリキュラムを修了すると「認定証」を取得することができて、たとえばプロのドローン操縦士として企業から仕事を請け負うための一つの基準になっていることも多いようです。
素人が操縦するにしても、プロが操縦するにしても突風や操縦ミス、機械不良などで、事故を起こしてしまうことはあり、それらのリスクに備えてドローン保険が販売されています。
ドローン保険とは?
ドローンに関する保険は以下2種類あります。
・動産総合保険(ドローン用)
・施設賠償責任保険
上記2つをセットにして「ドローン保険」と称して提供している保険会社が多いです。
動産総合保険は、偶然の事故によってドローンが損傷した場合にその修理代が補償される保険です。
ただし、ブレード(羽)は壊れやすいので、ブレード単独の損傷は免責になっていることが多かったり、ドローンそのものの欠陥に起因する事故(フライト中の故障など)も免責だったりと、加入する際には保険の内容をよく理解しておく必要があります。
保険会社や引受条件にもよりますが保険料は、機体価額の10%前後が多いです。
(例:機体価額30万円×10%=年間保険料3万円)
施設賠償責任保険は、他人にケガをさせたり、他人の財物を損傷させてしまった場合の賠償金をカバーする保険です。保険料は1台あたり年間数万円であることが多いようです。
ただし保険に加入しているからといって慢心せず、安全に操縦できるよう十分な訓練と、気象などフライト時の環境に十分留意することが大前提かとは思います。
賠償責任保険が自動付帯されている産業ドローン用アプリ
ドローンは目視だけでは安全に操縦できない遠方まで飛ばす場合も多く、そのためにドローン用のアプリが複数リリースされています。
なかでも、テラドローン(株)のドローン用アプリは、東京海上日動と提携しており、アプリ(有料/月5000円)を利用すると自動的に賠償責任保険(限度額1億円)も付帯されてくるとのこと。
月5000円は高いように思えるかもしれませんが、飛行計画を立て自動的にその通りに飛ばすことができたり、自動的に飛行禁止エリアを回避したり、他のドローンとの衝突を避ける機能もあったりと安全かつ安定的に業務を運行する上では役に立つ機能が付与されています。
自社の業務にドローンを使い始めたいという場合に、たとえば、最初はプロに依頼をしつつ、並行してこれらのアプリを利用して社内の人材育成をし、いずれ自社内だけで運用する、という計画も立てやすくなるのではないでしょうか。
こういたソフトウェアがドローン普及、生産性向上を後押しし、より楽しい日本になることを期待したいです。
(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。