一般の保険契約者にとっては「再保険」とは馴染みのない言葉または仕組みかもしれません。
再保険とは「保険会社のための保険」とも言われ、巨大地震など保険会社1社では引受きれない損害に対しても保険金を滞りなく支払えるようにするために、元受保険会社が保険料の一部を再保険として再保険会社にリスク移転している、ということになります。
保険会社一社でさえ巨大なのにさらにその裏で再保険取引が行われていると思うと壮大な感じがします(わたしだけかな)。
【世界の有名再保険会社】
・ミュンヘン再保険
・スイスリー
・バークシャーハサウェイ(ウォーレンバフェットの会社ですね)
・ロイズ(海外の保険といえばロイズ、みたいなところがありますよね)
・ハノーバーリー
・スコール
・リインシュアランスグループオブアメリカ
・チャイナ・リインシュアランス
「再」という意味で「Re」のつく再保険会社が多いですね。
2011年の東日本大震災後に、企業向けの地震保険引受が厳しい時期に、ある日本の保険会社の方が「企業向け地震保険の引受大丈夫ですよ、全部再保険に出しますから」とおっしゃっていました。半分冗談だと思いますが、日本の保険会社にとって再保険は巨大なリスクも引き受けるための奥の手ツールとも言えます。
特にいまの日本の大企業にとっての心配事のひとつに巨大地震(東南海トラフ地震、首都圏直下地震など)があるでしょう。
1社で数百億円や数千億円という地震保険になると日本の損保会社1社では引受きれないので、ほとんどの場合再保険を利用しているとのことです。
再保険会社を探すにあたっては、その保険会社が独自にあたったり、または再保険ブローカーと呼ばれる会社もあり、再保険専門にその保険プログラムのアレンジを行っています。
身近なところでは、「日本地震再保険(株)」という再保険会社があります。
家計地震保険といわれる住宅物件用の地震保険は、損保会社と日本政府の共同事業であり、損保会社が預かった保険料を日本地震再保険(株)へ出再します。その一部を日本政府へさらに出再するなどし、地震による保険金支払いが一定額以上になった場合、政府から補てんを受ける仕組みで、地震保険の安定供給を図っているということですね。
事業用物件に対する地震保険料は別ですが、家計地震保険の保険料についてはどの損保会社で契約しても保険料は一律です。
これは、保険引受利益ゼロの精神のもと日本地震再保険(株)が算出し、各損保会社がとりあえず元受契約を行っているから、というわけです。
(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。