富士山が噴火したら?どんな保険がつかえるか

富士山噴火 保険
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富士山が噴火したらどうなる?

富士山の噴火といえば江戸時代の「宝永噴火」が有名です。

江戸でも噴火爆発したときの「空振」が感じられ、火山灰の影響で日中でも暗くなり、千葉の房総半島まで火山灰が降り注ぎ、農作物は大被害、人々の健康被害もあった上、完全な復興まで30年かかったと言われています。

2018年7月30日毎日新聞の記事によれば、現代において、宝永噴火と同程度の噴火が起きたとしたら、風向きなどの条件によっては東京都心部でも10センチ以上の降灰があるとのシミュレーションで、神奈川、静岡、山梨、東京において火山灰は最大30センチ~1メートル積もり、千葉、埼玉、茨城は最大10~30センチ積もる可能性があるとのこと。

富士山噴火

 

火山灰は5ミリ積もると鉄道の運行ができなくなるとされます。

車の運行も困難になり物流がマヒ、食糧不足が生じ、また、エアコンなども目詰まりするので使えないし、そもそも大規模停電のおそれもあります。または水道水のろ過が間に合わず断水、ということも想定されています。

政府としても2018年からワーキンググループとして有識者による富士山の降灰対策を議論しているようですが、まだ被害想定の段階で、具体的な対策はこれからのようです。

 

↓気象庁HP「富士山 有史以降の火山活動」より(▲は噴火年を示す)
有史以来の富士山噴火

富士山は、記録が確認できる範囲では、数十年ごとに噴火していた時期が続き、その後、1435年の噴火までは350年程のブランクがあり、1707年の宝永噴火までは200年弱のブランクがあります。宝永噴火から現在までは300年以上のブランクとなっているので、そろそろ噴火してもおかしくないと考えるべきなのでしょう。

 

損害保険はどこまでつかえるのか?

降灰による食糧不足や健康被害、停電のさなか、保険がどれだけの有用性をもつのか、または幾ばくかの保険金をもらったところでどうしようもないのかもしれませんし、そもそも保険会社との連絡がつかなくなる可能性もありますが、企業が被る被害と保険の関係について確認してみましょう。

噴火・噴石等による物的被害
事業用物件に対する地震保険に加入している場合、地震、津波、噴火による損害がカバーされますので、対象物件の物的被害についてはその復旧費用が保険金として支払われます。

降灰による被害(除去費用)
降灰による被害については、噴火もカバーする地震保険に加入していても、一般的には、噴火による火山灰の付着、混入、堆積等について保険対象外となっております。

そうすると、エアコンや吸気機能のある設備などで、フィルター等に目詰まりしたものは保険金の支払対象外となりそうです。

 

営業収益の減少
地震・噴火・津波による収益減少に備えた利益保険に加入していれば、事故によって得られなかった利益分について保険金が支払われる可能性があります。

ただし、地震・噴火・津波に対する利益保険は保険会社の引受が厳しいこともあり十分に普及しているとはいえない状況です。

人的被害
傷害保険に加入していて、地震・津波・噴火によるケガも補償する特約が付帯されていれば、噴火により(噴石などがあたり)直接的にケガをした場合、保険金支払いの対象になります。

一方、灰の継続的な吸入による中毒症状などの健康被害については免責事項となっていることが一般的なので、保険金支払いの対象外になりそうです。

 


(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。個別具体的な保険契約内容についてはパンフレットや重要事項説明書、約款等をご確認いただくか、保険代理店または保険会社へお問い合わせください。


 

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