モノ保険とはなにか
損害保険は大きく分けると4つに分類されます。
・モノ保険
・人保険
・賠償保険
・利益保険
(※上記に分類されないものもある)
モノ保険とは、言い換えれば自社で所有しているものを対象とした保険となります。
モノ保険というのはいわばカテゴリーであって具体的な商品名でなく、モノ保険としての具体的な商品には以下のようなものがあります。(モノ保険とは業界用語みたいなものかもしれません)
設定する保険金額はどうやって決める?
モノ保険の場合、保険金額を設定する必要があります。保険金額とは、保険事故の際受け取ることが出来る最大の金額のことです。保険金額は新価または時価で設定します。
火災保険の場合
火災保険の場合、建物や設備什器、商品製品等が保険の対象になり、当初取得した金額をベースに新価または時価で設定します。
対象物件がたくさんある場合は、固定資産台帳をベースに保険金額を設定しておけば間違いは少なくなると思います。
固定資産台帳から、土地や無形資産、リース物件などの保険の対象にならないものを削除したり、新価や時価になおす必要がありますが、保険代理店や保険会社に依頼すれば対応してくれますし、対象物件が数十億円以上など大きい場合は、場合によっては鑑定人による「平場鑑定」を行うこともあります(一定の費用はかかります)。
商品製品については「平均在庫高」を保険金額とすることが多いですが、保険商品によっても規定が異なるので、保険代理店や保険会社に確認しましょう。
動産総合保険の場合
動産総合保険は、基本的には時価で保険金額を設定するのですが、減価割合が5割以内(取得してから数年以内)などの場合、新価で保険金額を設定することもできたりします。
運送保険の場合
対象物が何か、または、保険商品によっても異なりますが、仕切状面価額(請求書や納品書等に記載された金額)をベースに保険金額を設定することが多いです。仕切状面価額ですので、売値ベースであり、利益も含まれた金額になります。
自動車保険の車両保険
自動車保険の車両保険を付けている人は分かると思いますが、毎年車両の金額は下がっていきます。これは時価額が下がっているということであり、自動車の場合はおよそ中古車市場相当の価格だと思えば分かりやすいかもしれません。
建設工事保険、組立保険
建設工事保険や組立保険の場合は、請負金額を保険金額として設定します。支給材料が請負金額に含まれていない場合はその分を足して保険金額にする場合もあります。
モノ保険の保険金は誰に支払われる?
モノ保険は、いずれの場合も被保険者(所有者)に支払われます。
保険契約の中には契約者と被保険者が異なる場合があって、たとえば、親会社が子会社の分まで保険料をまとめて支払う場合や、取引関係上、取引先のために保険料負担をする場合等があります。
保険契約者と被保険者が異なる場合「他人のための保険」と呼んだりしますが、保険契約としては(一定のルールはありますが、)問題なく成立します。
契約者と被保険者が異なる場合でも、保険事故時には、被保険者(所有者)に保険金請求権があり、被保険者が保険請求手続きを行い、保険金を受け取ります。
たとえば、契約者が親会社で、所有者が子会社の場合、子会社に保険金が支払われるということになります。
(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。