新型コロナウイルスの感染拡大に苦しむアメリカ
レジャー、店舗、旅行業など直接的なダメージを受ける業態はいっそう経営が厳しいし、失業保険の申請数が3月下旬の2週間で1000万件を超えたとのこと。
2020年4-6月のGDP成長率は年率換算でマイナス28%程になるかもしれないとの見方もあり、過去40年間のGDP成長率が概ねプラス数%で推移してきたことと比較すると、とんでもない事態だということが分かります。
IMFより
経済が大打撃を受け失業者が増えれば不幸な人が増え、犯罪も増え、選挙にも影響する。
そこでアメリカの一部の議員は“保険”に目を付けたようです。
新型コロナウイルスでの事業中断損害に対する保険金支払措置法制化へ
(2020.4.7保険毎日新聞より)
損保会社からすれば「そんなバカな」という感じですが、そもそも保険約款で免責としていた感染症による事業中断損害について、そこを曲げて保険金支払いをしてほしいと議会等から要請されているとのこと。
日本もそうですが、損保会社は今回のコロナショックによって保険金支払いという意味では大きな損失は出ていません。
なぜなら火災保険の休業補償は、火災保険の対象になっている建物や設備什器等に物的損害があって、結果的に休業を余儀なくされた場合にしか休業保険金が支払われないからです。
感染症では物的損害はないわけですから、休業保険金の支払いはないのです。
そこを、アメリカでは保険約款を特別に変更して保険金支払いをしてほしい、と。損保会社はダメージ受けてないじゃないか、と、そういうことのようです。
ある大学教授は「サープラス(損保会社の剰余金)は議員たちが勝手にばらまくことができる裏金ではない」とコメント。
そもそも保険金支払いの対象として想定していなかったリスクなので、その分の保険料は徴収していない。契約者全体にしてみればアンフェアであり、保険契約の根本を揺るがす話でしょう。
それでも、金を持っているところから出させたいとして、保険約款の変更という法制化を検討しているのですね。
これがもし成立したら日本の損保会社にも影響があるのでしょうか・・
(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。