2018年度損害保険代理店統計
損保協会の「2018年度損害保険代理店統計」によれば2018年度末(2019.3)時点で国内の保険代理店は約18.0万店とのことです。
募集従事者は約206万人ですから、1店あたり単純に平均すれば約11人ということになります。
1年前に比べて代理店数は-3.4%と大きく減少していますが、募集従事者数はあまり変わりませんので、代理店間の統廃合が進んでいるということが考えられます。
ちなみに約20年前(1999年)の代理店数は570,919店で、募集従事者数は114万人ほど。1店あたり単純に平均すれば約2人でした。
代理店数は2001年度に大幅に減少しておりますが、これは保険業法の改正により、生命保険会社そのものが損害保険の代理店になることができて、それまで個々に登録していた生保営業職員の個人代理店カウントが1社にまとまったためと考えられます。
2001年度に募集従事者数が大幅に増加していますが、これは、銀行等の金融機関の窓口において保険販売が解禁されたことに伴い、銀行員等が大量に損害保険募集従事者になったためと考えられます。
ちなみに2001年度は342,191店で、募集従事者数は1,575,195人、1店あたり平均4.6人となります。
参考:世界の保険ブローカーと日本の保険代理店
様々な損害保険代理店の形
2018年度の日本の損害保険料(元受保険料)は約9.4兆円でした。
そのうち代理店扱いが8.8兆円で91.4%、直扱いが約0.8兆円で8.0%、保険ブローカー扱いが546億円で0.6%ですので日本の損害保険は9割以上が代理店を通じて契約されていることが分かります。
2018年度の損害保険料約9.4兆円を代理店の募集従事者数で割ると、一人あたり約456万円になります。代理店手数料率は概ね10~20%程度ですから、平均手数料は一人あたり年間40~80万円。当然これだけで経営を成り立たせることはできないので、つまり兼業代理店(片手間)が多いということになります。
↓保険募集チャネル別代理店数、募集従事者数(2018年度末)
上記のように損害保険代理店には様々な形態があります。
募集従事者数としては銀行等の金融業が一番多い。金融という業種柄、保険も親和性があり馴染みやすいのかもしれませんね。
運輸・通信業も1店(1社)あたりの募集従事者数が多めです。運輸だと顧客からモノを預かるという業務があるので、そのリスクと損害保険がマッチしやすい。
専業代理店以外は、本業の傍ら損害保険もついでに販売しているという形態です。ビジネスにおけるリスクを保険がカバーすることで円滑な商取引に役立っているものと思います。
(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。