地震火災費用保険金とは?
火災保険を契約していて、火事や台風被害などの保険金が支払われる事故が起きた際、支払われる保険金は、おおきく「損害保険金」と「費用保険金」の2つに分かれます。
「損害保険金」は、復旧に直接かかわる費用で、修理業者に支払う材料代や工賃などが該当します。
「費用保険金」には例えば以下のようなものがあります。
・臨時費用・・損害保険金×10%(100万円限度)が一般的
・残存物取り片付け費用・・壊れたものの撤去費用など
・損害防止費用・・火災時の「消火材」など損害拡大防止に役立った費用
・修理付帯費用・・仮復旧、夜間割増など
・失火見舞費用・・他人の財物に損害を与えた場合の見舞金
・地震火災費用
このうち、「地震火災費用」については、地震による火災で損害を被った場合に保険金額の5%(契約内容によって上限2000万円または300万円が一般的)が支払われる、というものですが、以下のような条件があります。
建物の場合・・建物が半焼※以上となったとき。
動産の場合・・動産を収容する建物が半焼※以上となったとき。
「※半焼」・・建物の主要構造部の火災による損害が保険価額の20%以上または焼失床面積がその建物の延床面積の20%以上となった場合。
火災保険の対象物が建物でも設備什器等の動産でも、その建物自体の損害が20%以上または焼失面積が20%以上になると、地震火災費用保険金が、保険金額×5%支払われる、ということですね。
地震火災費用保険金の支払例
<例>再調達価額ベース 保険価額&保険金額=建物保険金額5000万円、設備什器1000万円
地震による火災で建物に損害が生じ、復旧に1000万円かかることが分かった。
この場合、建物の保険価額が5000万円に対して、復旧費用が1000万円なので損害額は20%以上に該当し、地震火災費用保険金が支払われる対象になるでしょう。
地震火災費用保険金
・建物5000万円×5%=250万円
・設備什器1000万円×5%=50万円
(合計300万円)
もし地震保険に加入していなくても、この場合300万円は受け取れるわけです。
ただ、復旧費用が1000万円かかるのに300万円では全く足りないですよね。
やはり、大きな地震による損害が想定される場合には、地震保険に加入を検討した方がよいでしょう。
なお、「地震による火災」とは地震直後に発生した火災のみならず、数日後に電気の復旧とともに起こる「通電火災」も一般的には地震による火災と見なされるため、地震保険を付帯していない火災保険ではカバーされないようです。
(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。