保険代理店数の推移と募集従事者数の関係
損保協会によれば、2021年度の損保代理店数は約16万店であった、とのこと。
年々減少傾向で、前年比で4722店(2.9%)減少となっています。
図には記載されていないが、2001年には代理店数が約51万店から約34万店に激減している。これは、保険業法改正により、もともと生保職員一人一人が損保代理店であった体制が、生命保険会社そのものが一損保代理店となったため、集約化されたため。
法改正の影響を除けば、損保代理店数は約20年で約32万店から約16万店へとほぼ半減しており、平均すれば年間1万店程が純減していることになる。
新規に損保代理店が開設されていることを含めての数字なので、主に高齢代理店や成長の見込めない企業内代理店かと思うが、それらを中心に淘汰(新陳代謝)が進んでいる。
損保代理店の数は減少傾向であるが、損害保険を募集する人の数が減っているかというとそうではない。
損保募集人の数は約200万人であり、この十数年は概ね横ばいであるし、2002年から比較すると、むしろ110万人台から大幅に増えている。
図には記載されていないが、2002年には損保募集人が約115万人から158万人に激増している。これは、保険の銀行窓販がスタートし、銀行職員が大量に登録したため。
これらを踏まえると、代理店1店あたりの平均募集従事者数は増えているといえるわけで、ざっくり、
200万人÷16万店=約12.5人
損保代理店1店あたりの募集従事者数は平均12~13人ということができる。
今後もこの流れは続くのか
損保募集人員数は変わらなくても損保代理店数が減り代理店の淘汰や集約化は進むのか?
損保代理店は8割以上が副業として登録している。
損保協会ファクトブック2022より
最も多いのは自動車ディーラーなどの自動車関連、次に多いのが不動産業、専業代理店は2割弱といったところ。
昨今の自然災害の増加や、長期的に見ればテクノロジーの進化による自動車事故の現象=自動車保険市場の縮小、募集ルールの厳格化など保険業の経営が厳しさを増していく流れ。
保険会社としては、できるだけ損保代理店に事務コストをかけたくない。つまり今後も損保代理店は集約化、または淘汰が進んでいくものと思われる。