人事労務担当者は大変な時代
働き方改革や人手不足、ブラック企業レッテル、有給休暇の一定日数消化の義務化、ストレスチェックなど、企業の従業員に対する人事・労務管理は高度化を余儀なくされています。
雇用される立場からいえば待遇や福利厚生の拡充につながり良い傾向が続いていると思いますが、一方、企業の労務管理の立場からいえば業務の高度化を求められる割に、そういった間接部門の人数は増やせない状況が多く、頭を悩ませている担当者の方も多いのではないでしょうか。
特定の傷害保険系商品に付帯される無料の労務・メンタルヘルス等サービス
企業の多くが、従業員等の業務上のケガに備えて、政府労災およびその上乗せとして労災総合保険や傷害保険等に加入しています。
政府労災の上乗せ保険に加入している企業は、これまで私がお取引いただいていた企業の中では感覚的には半数程度といったところでしょうか。
政府労災の上乗せ保険は、政府労災認定があって初めて保険金が支払われる労災総合保険と、政府労災の認定は関係なく保険が支払われるもの(”傷害保険系“と呼ぶことにします)と大きく2つに大別されます。
傷害保険系の商品の中には、付帯サービスとして、人事労務担当者向けに労務等の相談を専門機関に無料でできるサービスや、補償対象者(従業員等)向けに健康やメンタルヘルスについての相談を専門機関に無料でできるサービスが付帯されているものがあります。
以前はそのようなサービスはありませんでしたが、この10年程で各損保会社が商品競争力を高めるために付加価値を高めてきております。
▼損保ジャパン日本興亜『ビジネスマスタープラス(傷害プラン)』の付帯サービス
各損保会社はそれぞれ、労務関係やメンタルヘルスの専門機関と提携をしていて、サービス提供はその専門機関が行います(保険会社が相談を受けるわけではありません)。
これらを企業が独自で導入しようとすれば当然それなりの費用がかかりますのでお得感があると思います。
たとえば従業員の方がサービスを利用する場合でも会社に知られることなく相談できる点が良いですね。
何かで悩んでいる従業員がこういったサービスを利用することで、もしその方の悩みが解決できたり心が軽くなれば、その分仕事にも集中できるようになるというもの。
このようなサービスが付帯されていなく、かつ政府労災の認定がなければ保険金が支払われない「労災総合保険」は、これらの傷害保険系よりも一般的に保険料は割安です。
しかしながら、各損保会社は2~3年おきに商品のリニューアルをしてきている関係もあり、たまに保険料も安く、付帯サービスも充実している傷害保険系の商品に出会うこともあります。
各社で保険料水準もバラバラだったりするので、もし、まだこういった付帯サービスのない労災総合保険や傷害保険系に加入しているのであれば、何社か比較してみると新たな発見があるかもしれません。
(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。