再保険とは?
再保険とは「保険会社のための保険」とも言われ、巨大地震や大型台風、大規模洪水、巨大施設の大規模災害など、保険会社1社では対応しきれないような損害が生じても顧客へ滞りなく保険金を支払うことができるようにするために、元受保険会社が保険料の一部を再保険として再保険会社へリスク移転している仕組みをいいます。
世界の再保険会社としては、ミュンヘン再保険、スイスリー、ロイズなどが有名です。
日本の保険会社も、たとえば一度事故が起きると数百億円とか数千億円という支払になる保険契約など巨大なリスクを引き受ける際は、彼らとの再保険契約を通じて、顧客へ安定的な保険引受を提供しています。
再保険契約も一般的な損害保険契約と同様に1年ごとなど更新があり、過年度の支払保険金額の度合いによっては再保険料率のアップもあります。
再保険料のアップの影響で日本の契約者が支払う損害保険料もアップすることがありますので、年間保険料数千万円、数億円という契約をしている企業は再保険についても気にしておくとよいかもしれませんね。
再保険マーケットの現状
MS&ADによれば、世界の損害保険市場は約239兆円とのこと。一方、再保険の資本規模は60~70兆円と言われています。単位が異なるので単純比較はできませんが、保険市場のなかで相当の割合を占めていることが想像できます。
2018年の世界の保険事故としては、日本で猛威をふるった複数の台風や、アメリカのハリケーン、巨大山火事、アジアのサイクロンなどで、あわせて850億USドル(約9.4兆円)程と見られています。
(Aon 再保険マーケット・アウトルック2019より)
2017年には約16兆円の保険事故があり、2年連続で支払保険金としては高い水準にありますが、再保険の引受キャパシティにはまだ余剰があり、保険引受損益も全体ではプラスを維持しているとのこと。
保険市場は、世界の巨大年金ファンド等の機関投資家の投資先のひとつでもあり、世界的な低金利の昨今、保険市場にも資金が流入し続けているのかもしれませんね。
(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。