昨今の大型台風等自然災害によって多くの被害が発生し、とりわけ火災保険の保険金支払が増えています。
台風等によって保険対象物件(建物など)に被害を受けた場合、
・保険代理店または保険会社へ連絡
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・主に修理見積もりや写真にて保険金支払査定
(高額の場合などは損害鑑定人または保険会社による現場調査)
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・保険会社から支払保険金額の案内
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・被保険者の了解を経て、保険金振込
このような流れになります。
代理店が間に入る場合は、支払保険金が決まったら保険会社から代理店が通知を受けて、顧客へ査定の内容と支払保険金額について案内をしますが、保険会社からの回答方法は一律ではなく、カチっとした文書になっている場合や、口頭で終わり、というものまで様々です。
以下、どんな回答の仕方があるかご紹介します。
1.エクセルでの支払保険金回答の場合
通常は、修理見積もりについて丁寧にエクセルフォームに落とし込んで、一つ一つの費目について認定、一部認定、否認、その理由コメントなど細かく査定が行われることが多いです。
一部認定、否認の場合の細かいコメントや、計算過程などが分かるので、顧客向けに最も丁寧に説明できる資料になります。
ただ、修理見積書が何枚にも渡るケースの場合、損害鑑定人が一つ一つ入力するわけですから、地味かつ大変な作業になります。この辺がきっと数年後または十数年後にはAIで解決できるようになるんだろうな~と思っています。
2.A4一枚のフォームでの回答の場合
大型台風で保険金支払部門が超多忙になってしまうようなケースでは、一つ一つ修理見積もりの費目を打ち込んで・・とやっている時間はないので、以下のような結果のみを集約した形で、だいたいA4一枚紙がFAXで送られてきます。
(修理見積もり額合計)
1.損害認定額
2.自己負担額
3.損害保険金(1-2)
4.臨時費用保険金(3×30%など)
5.取片付費用(処分費など)
6.修理付帯費用(仮復旧、調査費など)
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合計支払保険金
そして、
「これでOKならOKにチェックを入れて返信FAXしてください」
という感じです。
3.修理見積もりにペン入れの場合
修理見積もりのうち、どの費目がどう振り分けられて、何が一部認定で何が否認かなど、ペン入れがされて、支払保険金額の結果をもらうこともあります。
一つ一つの費目をエクセルに打ち込んで・・とやれば最も正確になるのかもしれませんが、この方法でも、修理見積書をベースにしているので分かりやすく、お客様にも概ね受け入れられていると思っています。
ただし、多分に手計算であるので、計算過程に誤りがないかよく確認する必要があります。
4.口頭のみの場合
大型台風などで被害が多数になった場合などで、特に、修理見積もりが全額認定の場合は、保険会社からの支払保険金額の回答が口頭のみのケースもありました。
書面をFAXすることさえ省くという最短コースですが、わたしが顧客へ案内する場合は、メールや文面などに書き直しておりました。
個人なら良いのかもしれませんが、企業の場合は組織ですから何らかの書面は必要になるでしょう。
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保険会社も思考錯誤しながら、顧客の納得感のラインは守りつつ、なるべくスピーディに支払保険金額の回答を行う努力をしているようです。
なお、保険会社も間違って計算していることも多々ありますし、支払保険金額について納得いかない場合などは、相応の理由や根拠を示せば再検討してくれますので、保険会社の言うことを鵜呑みにしない姿勢も時には必要です。
(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。