火災保険の料率改定とは
昨今の自然災害の増加等により火災保険料がどんどん上がっていますね。
火災保険料率は、「都道府県」「建物構造」「用途」などにより各損保会社が独自の基本料率を設定していますので、場合によっては保険料が下がる方もいますし、大幅に上がる方もいます。みんな一律〇%上がるというわけではありません。
2019年10月には多くの損害保険会社で火災保険料率の改定を行いました。
料率改定を行ったからといって即座に変更保険料が発生するうということではなく、改定日以降の保険更新の際に、新料率が適用されるということになります。
したがって、3年とか5年の長期契約をしている場合には料率改定の影響はまだまだ先、という契約もあるでしょう。
一方で、基本料率も上がったうえに、罹災による保険金受取があった火災保険契約はダブルパンチで保険料が上がっているケースも少なくありません。予算取りを大幅に超える保険料になると厳しいものがあると思います。
2020年も火災保険料は上がるのか?
各損保会社で2019年10月に行われた料率改定は、2018年5月に実施された損害保険料率算出機構が実施した参考準率改定の影響を受けています。
損害保険料率算出機構は日本で営業する各損保会社が会員になっている団体であり、各損保会社から事故などのデータ提供を受け、数理計算を行い、各損保会社へ保険料料率設定の参考となる参考準率などの情報を提供、日本の損保事業全体のバランサー的役割を担っています。
火災保険については概ね3~5年ごとに参考準率の改定が実施されてきましたが、直近では2018年5月と、2019年10月に改定が実施されており、その前は2014年6月で約4年開いていましたから急激な変化といえます。
2018年5月は住宅総合保険の参考準率が平均5.5%引き上げとなっており、住宅総合保険というのは火災、落雷、破裂、爆発、風災、雪災、ひょう災にくわえ、水災の一部や外部からの物体の衝突などもカバーするような保険で広く普及しているものです。
約4年ぶりの改定ということで、その間の各損保会社から提供された事故等のデータを踏まえ、都道府県や建物構造、用途などに応じた料率が適切なものになるようメンテナンスされたということですね。
各損保会社は参考準率をもとに、各損保会社の事業費等を勘案し、独自の料率設定を行いますので、同じ補償内容でも各社で保険料にバラつきがでる、というわけですね。
2018年5月の参考準率改定は2019年10月の保険料率改定に影響しました。
2019年10月の参考準率改定の影響は、2021年1月に各損保会社が保険料率改定を行う予定とされていますので、その際に反映してくるでしょう。
なお、2018年5月には5.5%、2019年10月には4.9%の参考準率UPとなっており、合計すれば約1割UPになっています。
損保会社もただ保険料をUPしているわけではなく、人員削減やITなど経営効率化も進めてはいるようです・・
保険料UPを回避するには
個人の住宅物件の保険料率がUPしてしまい、保険会社もそれまでと同じ、補償内容も同じであれば保険料のUPは免れないでしょう。
保険料UPを回避したい、または軽減したいという場合は、以下の手段が取れないか検討してみると良いでしょう。
・保険会社比較
・長期化(1年あたり保険料は下がる)
・補償内容ダウン
・一本化(複数契約があればまとめる)
・交渉(保険料が大きい企業物件なら)
・ほかに使える割引ないか確認
何かの参考になりましたら幸いです。
(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。