大手損害保険会社の第3四半期決算が公表されました。
昨年度(2018年度)と比べれば災害が減っているので、経営状況は悪くないということです。
損保会社といっても、3メガ損保はホールディングスになっており、損保だけでなく生保子会社や海外事業、その他の事業も含まれていますので、ホールディングスの数字だけでなく「じゃあ国内損保はどうなの?」という視点を持つことも大事かと思います。
大手3メガ損保HDの2019年度第3四半期決算
※数字は当期(4月から)の累計
※()内の%は前年同期比
【東京海上HD 2019年度第3四半期】
経常収益 | 経常利益 | |
東京海上HD | 34,205億円(-1.4%) | 2,992億円(-3.2%) |
東京海上日動 | 16,871億円(+4.0%) | 1,970億円(+3.5%) |
日新火災海上 | 1,132億円(+4.0%) | 4億円(-70.2%) |
国内損保はトータルで前年比増収ですが、生保および円高等の影響で海外が減収とのこと。
(東京海上日動 過去3年)
2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | |
正味収入保険料 | 21,161億円 | 21,448億円 | 21,666億円 |
経常利益 | 3,124億円 | 3,258億円 | 3,154億円 |
(日新火災海上 過去3年)
2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | |
正味収入保険料 | 1,401億円 | 1,418億円 | 1,438億円 |
経常利益 | 90億円 | 76億円 | 51億円 |
【SOMPOHD 2019年度第3四半期】
経常収益 | 経常利益 | |
SOMPOHD | 28,277億円(+3.8%) | 1,539億円(-5.8%) |
損保ジャパン日本興亜 | 19,165億円(-4.9%) | 1,104億円(-23.6%) |
国内自然災害影響が減少した一方で、良好な損害率を背景とした異常危険準備金取崩し額の
減少や再保険コスト増・消費増税影響もあり、保険引受利益は減益、とのこと。
(損保ジャパン日本興亜 過去3年)
2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | |
正味収入保険料 | 21,657億円 | 21,680億円 | 21,486億円 |
経常利益 | 2,305億円 | 1,752億円 | 2,155億円 |
【MS&ADHD 2019年度第3四半期】
経常収益 (正味収入保険料) |
経常利益 | |
MS&ADHD | 41,422億円(0.0%) | 2,648億円(+11.4%) |
三井住友海上 | 11,535億円(+1.9%) | 1,682億円(-4.8%) |
あいおいニッセイ同和 | 9,626億円(+4.2%) | 615億円(+20.0%) |
・国内損保は再保険コストの増加があったものの、保険販売は好調で増収。
・生保および円高による影響で海外事業は減収。
(三井住友海上 過去3年)
2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | |
正味収入保険料 | 14,696億円 | 15,003億円 | 15,124億円 |
経常利益 | 2,155億円 | 2,625億円 | 2,264億円 |
(あいおいニッセイ同和 過去3年)
2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | |
正味収入保険料 | 12,005億円 | 12,220億円 | 12,335億円 |
経常利益 | 751億円 | 56億円 | 613億円 |
今年度はこのまま大きな災害がなければ、いずれの会社も1500~3000億円前後の利益になりそうですね。
ただ、損保会社は主力の自動車保険が少子化やシェアリングエコノミーによる台数減少と、自動運転による事故減少によって長い目では市場が縮小していくと見ているので、少しずつ収益構造の変革を模索していくのでしょう。
(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。