約1年前、ということになりますが2018年の年末に、保険毎日新聞社が保険業界の2018年重大ニュースとして以下のようなものを挙げていました。
2018年は特に自然災害の多い年でしたので振り返りの意味で念のためメモしておきたいと思います。
自然災害支払保険金が東日本大震災に匹敵
火災保険参考純率引上げで各社19年には引上げ実施へ
廃止代理店の増加が続く厳しい状況
AIG損保、第5位のランクでスタート
目立つドローンの活躍、事故も増え開発された専用保険
相次ぐ健康増進型保険の開発と販売
楽天が朝日火災を吸収し損保に進出
日本生命がマスミューチュアルを参加に
日本郵政がアフラックに2700億円出資
生保、損保業界で進むSDGsへの取り組み
以下は個人的なカテゴリ分けとコメントです。
保険事故
・自然災害支払保険金が東日本大震災に匹敵
・火災保険参考純率引上げで各社19年には引上げ実施へ
2018年は大阪北部地震、北海道胆振東部地震、7月豪雨、8月以降の連続した大型台風など、災害の多い年でした。日本漢字能力検定協会による今年の漢字も「災」でしたね。
とにかく事故件数が多くて顧客も修理業者も保険会社も損害鑑定人も代理店も対応に追われました。
統廃合
・AIG損保、第5位のランクでスタート
・楽天が朝日火災を吸収し損保に進出
・日本生命がマスミューチュアルを参加に
・日本郵政がアフラックに2700億円出資
・廃止代理店の増加が続く厳しい状況
約100年の歴史があった富士火災が外資のAIGに吸収され消滅しました。
公式には経営統合ということですが、富士火災という名称がどこにもなくなったので外からの見え方は吸収合併に見えます。統合から1年以上経ちますが未だにシステムがイマイチで、こなれてくるまでにはもう少しかかりそうです。
1951年から70年近く営業してきた朝日火災が現代のメガベンチャー楽天に買収されました。損保会社の中では下位に甘んじてこれといった特徴が見えなかった会社だったので楽天のようなIT系企業によるイノベーションでエッジのある商品・サービスを開発してもらいたいですね。
代理店の廃止増加で厳しい状況というけど、募集人の数自体はむしろ微増なんですよね。システム対応のできない小規模代理店とか高齢代理店とかが淘汰されて他の代理店の規模拡大、業務品質向上になっているんだから、全然厳しくなく、あたりまえの循環だとは思います。
ざっくり、19万店のうち、年間1万店が廃業して、1万店が新設されている、と。結構な新陳代謝です。
新商品開発、時代適合
・目立つドローンの活躍、事故も増え開発された専用保険
・相次ぐ健康増進型保険の開発と販売
・生保、損保業界で進むSDGsへの取り組み
ドローンは昔からある動産総合保険と施設賠償責任保険についてドローン用の料率設定と引受条件を決めてみただけ、ということなので、改めて新商品と言われるとちょっと違う気がします。
生保分野ですが、健康増進型保険は理にかなっていると思います。逆になんで今まで開発に時間がかかったんだろう、とう感じ。健康診断の結果だったり健康的な生活をしていると保険料がだいぶ安くなる、というのは契約者間の公平性という意味でも納得感があります。
貧困問題、戦争、環境、教育、食糧、資源など、この地球上で平和に暮らしていくための根本的な課題として挙げられているSDGs。短期的な企業の利益とは相反することもあるでしょうが、事業活動を通じてSDGsに資することができれば良いですね。
損保業界でいえば気候変動に対応する保険の提供がSDGs関連といいますがちょっとしっくりきません。たとえば貧困地域の改善のために新規事業を応援し、突発的な事故を補てんする割安な保険の仕組み提供とかどうでしょうか。
(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。